6人の大家族でも「ワーケーション」は楽しめるか?--北海道ニセコ町での体験レポート - (page 2)

1日の疲れを癒すニセコの「温泉施設」を一挙に紹介

 ニセコ町にはたくさんの温泉がある。それぞれ泉質が異なり、疲れた身体を癒すのには最適だ。なお、寒い時期は髪が濡れた状態で露天風呂に入ると、いつの間にか髪が凍っている。子どもたちはこれが面白かったようで、お互いに凍った髪を触っては笑い合っていた。

 今回、私たちはお得に温泉を利用できる「ニセコ湯めぐりパス」を利用して、合計5カ所の温泉に入った。宿泊したコテージはお風呂がなく、カプセルホテルもシャワーのみ。やはり寒い日は風呂に入りたい派な私たちにとって、温泉が多いことは非常に大きなメリットだった。風呂上がりに仕事することのできる施設もあるので、ここで特徴などと一緒にご紹介しよう。

 最初にご紹介する「ニセコ駅前温泉 綺羅乃湯」は、ニセコ駅すぐの場所にあり、アクティビティやワークスペースとして利用できるニセコ中央倉庫群からも徒歩圏内。和洋2つのエリアに分かれ、奇数日と偶数日とで男女が入れ替わる。私が入ったのは和風風呂だったが、洋風風呂にあるジャグジーは源泉かけ流しだったようだ。

 今回私が訪れた温泉の中で、唯一サウナでロウリュウ(サウナストーンに水を掛けて温度を上げる方法)できたのがこちら。誰もいないタイミングで熱々を楽しませてもらった。サウナ好きならば、ぜひ訪れて欲しい温泉施設だ。

ニセコ駅前温泉 綺羅乃湯
ニセコ駅前温泉 綺羅乃湯

 宿泊したコテージの方におすすめいただいたのが「ニセコ昆布温泉ホテル 甘露の森」。広々とした大浴場と露天風呂で、大人数でもゆったりくつろげた。特に露天風呂は周囲を木々に囲まれており、日中は景観も素晴らしそうだった。レストランもあるので、そのまま食事まで楽しむのも良いだろう。ホテルというだけあり、売店にはニセコ土産も充実している。

ニセコ昆布温泉ホテル甘露の森
ニセコ昆布温泉ホテル甘露の森

 「ニセコ温泉郷 いこいの湯宿 いろは」は美肌成分の含まれた“美人の湯”として知られ、実際に入浴するとツルツル&スベスベを実感できる。そのため、特に女性におすすめの温泉だ。室内・露天ともに広く、当日やや混雑していると聞いたが、十分ゆっくりと温泉を楽しめた。甘露の森と同じくレストランがあるので、ランチやディナーと合わせて利用するのも良いだろう。

ニセコ温泉郷 いこいの湯いろは
ニセコ温泉郷 いこいの湯宿 いろは

 やや細い山道が多いので荒天時だと行きにくいが、ワーケーション関係者の方々から多く勧められたのが「蘭越町交流促進センター 雪秩父」。山々に囲まれた秘境感ある温泉で、非日常的な時間を楽しめる。なお、かなり雪が降って寒かったので「お湯の温度が低いかもしれない」と言われたが、実際のところ特に問題なかった。

 広めの休憩所があるので、家族連れでもお互い気にせずゆっくり温泉を堪能できるだろう。私は三兄弟と入浴して先に上がり、妻と娘を仕事しながら待たせてもらった。三兄弟は受付で販売されていた温泉卵を1人1個ずつ購入し、「これは美味い」と満足気に食べていた。

蘭越町交流促進センター 雪秩父
蘭越町交流促進センター 雪秩父
 
 

 函館本線「昆布」駅から近く、こちらも「いこいの湯宿 いろは」と同様に “美人の湯”と言われる温泉「蘭越町交流促進センター 幽泉閣」。タイミングの問題か、今回訪れた中ではもっとも混雑していた。スーパー銭湯のように、ジャグジーや打たせ湯などいろいろな種類の風呂がある。子連れも多く見られ、わが家の三兄弟もさまざまな風呂を巡って楽しんでいた。

蘭越町交流促進センター 幽泉閣
蘭越町交流促進センター 幽泉閣

 ちなみに今回すべての温泉に露天風呂があったが、注意点が1つある。それが、ほとんどの温泉で室内から露天風呂まで少し距離があるということ。冬場は冷え込み、手すりが凍っていたり足元に雪があったりすることも。だからこそ露天風呂に入ると極楽気分を味わえるのだが、寒さが得意でない方はあらかじめ注意しておいてほしい。どの温泉も泉質が良く、日頃のデスクワークで疲れた身体をリフレッシュさせてくれた。

役場や宿泊先、スキー場まで……どこでも仕事環境が整う

 ワーケーションにおいて重要なのが、やはり“仕事ができる環境”だろう。休暇を取っているわけではないので、必要な業務は滞りなく対応しなくてはいけない。その点、ニセコ町はとても恵まれていた。先にご紹介した高速バス内でのWi-Fi利用のほか、行く先々で仕事できる環境が整えられていた。

 ホテルともなれば、もはやWi-Fiは完備していない方が珍しいほどかもしれない。2泊させてもらったLODGE MOIWA834も問題なく、ロビーのテーブルで朝晩は仕事。朝起きて仕事しながら家族を待ち、そのままみんなで朝食に出かけた。

コテージもWi-Fi完備
コテージもWi-Fi完備

 しかし、コテージやペンションのような宿泊施設では、電源こそあるもののインターネットは諦めてテザリング……ということが多い。私はこれまで全国各地でワーケーションしてきたが、特に地方ではテザリングに何度も助けられている。

 そんな中、今回お世話になったボンゴ広場ではWi-Fiが完備されていた。事前に「Wi-Fiはないかもしれない」と伺っていたこともあり、これは嬉しい誤算。しかも宿の方が気を遣ってくれて、暖かいストーブ横に机とイスを設置。足元には電源もあり「ここをワークスペースに」と用意してくれたのだ。基本的に日中は外で過ごしていたが、お陰さまで朝と夜の仕事でとても重宝した。

 
 

 外からの往来が多いニセコ町ではボンゴ広場に限らず、Wi-Fiなどの整備がかなり進んでいるとのこと。宿泊施設においても事前に確認は必要だが、その多くで仕事に問題ない環境が備わっているようだ。

 ニセコでのワーケーション期間中、仕事場としてメイン利用するのがニセコ中央倉庫群。旧でんぷん工場は飲食の提供もあるほか、電源・Wi-Fiも完備されている。広いテーブルもあるので、グループでワーケーションに訪れて会議なんていうことも可能だ。

ニセコ中央倉庫群
ニセコ中央倉庫群

 また、映画鑑賞や工作など楽しませてもらった倉庫もWi-Fiが利用できた。集中しやすいようテントの中に電源も引っ張っていてくれて、子どもたちの様子を眺めながら仕事できる環境だ。私がテントに入って仕事していると、子どもたちも空気を呼んだのか、あまり近づいてこない。たとえ中に入っても、静かに遊んでくれるから不思議である。室内でありながらキャンプ気分でワーケーションでき、なかなか面白い体験になった。

 
 

 広々としたニセコ町役場には、見晴らしの良いワークスペースが設けられている。テーブル席とカウンター席があり、私は小中学生の三兄弟に宿題させながら一緒に仕事させてもらった。役場にこうした環境が備わり、誰にでも開放されているというのは珍しいのではないだろうか。

 
ニセコ町役場

 さらに子育て世帯としては嬉しいことに、キッズスペースも備わっている。私が仕事している間は、妻が娘や宿題を終えた三兄弟と遊んでいてくれた。なお、キッズスペース横にも机があって仕事できるので、親子で仕事&遊びながら過ごすこともできる。子連れワーケーションでは“子どもの楽しみ”と“仕事”との両立がキーとなるため、これだけでかなりワーケーションのハードルが下がりそうだ。

 
 
 
 

 アクティビティのメインとなったスキーは、ワークと切り離してバケーションのみの時間と考えていた。さすがにスキー場で仕事はできないし、途中で宿泊先へ戻るのも非効率的だからだ。実際、たまにスマホでメール返信こそしたものの、ほとんどスキー中に仕事しなければならない事態は起きなかった。しかし2回だけ途中でメールが入り、その場を離れて仕事することに。

 モイワスキー場には休憩所があり、この中にはイスとテーブルが並んでいる。リフト至近だったのでインストラクターさんに「ちょっと離れます」と子どもたちを任せ、妻に預けていた荷物から取り出したPCで仕事した、PC作業だけであれば、これでまったく問題なかった。しかし、さすがに休憩所にはWi-Fiがなくテザリングで凌ぐことに。が、送らなければいけないファイルのデータ容量が大きく、かつ電波が弱くてなかなか作業が進まない。

 
 

 そこで教えてもらったのがレストラン。基本的には飲食する場所だが、休憩などでも利用できる。こちらにはWi-Fiが完備されているし、もちろんレストランなのでテーブルとイスもある。こちらに移動し、滞りなく仕事を完了することができた。ニセコ町でのワーケーション中、電源&Wi-Fi難民になることは一切なし。万が一を考えても思い切りバケーションできるのは、たとえ初めてのワーケーションでもかなりの安心材料ではないだろうか。

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