日立製作所、AIで神戸市民38万人の要介護リスク予測を研究

 日立製作所は1月21日、神戸大学と神戸市が構築したヘルスケアデータ連携システムを活用した取り組みとして、神戸市民の健康・医療情報を対象に、AI(人工知能)技術による要介護リスクの解析研究を実施すると発表した。

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 神戸市のヘルスケアデータ連携システムは、科学的根拠に基づく保健事業の推進による市民サービスの向上を目指し、これまで別々に記録されていた個人の医療・介護・健診などのデータを個人ごとにまとめたシステムとなる。

 また、神戸市保健事業にかかる研究倫理委員会の承認のもと、2015年度から2019年度までの計5年間の介護保険被保険者の医療・介護データなどの連結データセット(約3000項目/人)が、神戸市より神戸大学へと提供されている。

 データ提供は2024年度まで継続し、最終的に計10年間の連結データセットが提供される予定。データについては、神戸市において個人や住所が特定されることのないよう匿名化処理されているほか、神戸大学においても希少疾患などから個人が特定されることがないように、同じ特徴を持つ人が10人以下のデータ項目を削除するという再匿名化を実施している。

 今回開始する研究では、神戸大学大学院医学研究科地域社会医学・健康科学講座 AI・デジタルヘルス科学分野の榑林陽一特命教授らが主体となり、同社が開発した独自の説明可能なAI技術を活用。要介護リスク予測のブラックボックス化(解析根拠が不明)の解消を目指して行われる。

 同社が開発した説明可能なAI技術とは、デジタルイノベーションを加速するLumada(同社の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称)で展開する技術のひとつ。

 高精度な予測モデルを構築するための深層学習(ディープラーニング)において、従来では困難だった予測に寄与する要因の抽出に対応。加えて、根拠データ管理技術により、予測要因を生成した根拠データまで遡ることができるため、高い予測精度とその根拠の説明性を両立できるという。

 既に、医療、創薬分野において実績があり、価値ある製品・サービスの開発期間の短縮などに貢献している。

 同研究においては、提供された神戸市民の健康・医療ビッグデータから、住民ひとりひとりに対する要介護リスクの予測モデルおよび、予測根拠を提示する方法を開発する。

 要介護リスクは個人ごとに異なるため、最先端の説明可能なAI技術を適用することで、精度の高い予測モデルの作成が期待でき、要介護のリスク要因の解析根拠を把握できるという。

 研究の解析対象は、65才以上の神戸市民38万人の医療情報、介護情報、健診情報などを連結した継時的データセットであり、これをAIの学習データとして用いて、ひとりひとりに対する要介護リスクを予測するモデルを研究する。

 研究成果の要介護リスク個別予測モデルについては、神戸大学から神戸市へと提供される。今回のように、大規模かつ長期にわたる自治体の健康・医療データが、大学主体の産学連携で行う要介護リスク解析研究において提供されたケースはなく、日本で初めての取り組みだという。

 また、研究の成果は、神戸市をはじめ全国の自治体において保健事業と介護予防の一体的実施に従事する専門職員の作業の負荷軽減や、適切なリスク個別予測による介護予防事業の質の向上につながることが期待できるとしている。

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