2022年はアバターを作ってメタバースに飛び込む年に

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年01月13日 07時30分
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 2021年8月末、最新のヘッドセットをつけて未来を垣間見る機会を得た。私の頭に装着された5000ドルもするLiDARセンサー搭載ヘッドセットは、何本ものケーブルでデスク上のハイエンドPCと接続されていた。

Varjoのヘッドセット「XR-3」
Varjoのヘッドセット「XR-3」
提供:Scott Stein/CNET

 フィンランドのVarjo(ヴァルヨ)が展開する商用グレードのヘッドセット「XR-3」は、超高解像度のディスプレイ、視線の追跡機能、そして仮想オブジェクトを現実世界に溶け込ませるパススルーカメラを備える。このヘッドセットを装着した状態で、私は世界各地のVarjoスタッフが遠隔から私のヘッドセットを操作する様を眺めた。ノートPCで動くZoomやPCの画面に加えて、床には骨格模型が投影され、頭上には宇宙ステーションが浮かんだ。私はデスクの脇に1台のボルボを呼び出し、中に入ってハンドルを握った。

 2021年末に注目を集めたメタバースは、無数の企業に無限の可能性を約束した。多くの企業がオンラインでの交流、没入型テクノロジー、クロスプラットフォームコマースの次の波を予期している。「メタバース」は、もともとはニール・スティーヴンスンの小説「スノウ・クラッシュ」に登場した言葉で、その後も折に触れて使われてきたが、Facebookが社名をMetaに変更したことを機に、コロナ禍が書き換えたバーチャルの世界と、そこに待ち受ける新たなアイデアの波を表す言葉となった。メタバースは、拡張現実(AR)・仮想現実(VR)業界が長年求めてきたブレイクのタイミングに火をつけた。

 しかし、メタバースはVRヘッドセットやスマートグラスに限定されるものではない。これは仮想コミュニティーからデジタルコンテンツの所有権まで、人間とインターネットの関係そのものを再定義しようとする試みであり、ゲームや仮想通貨、NFT、ビデオ会議ソフト、3Dスキャニングも内包している。このように、メタバースは非常に多くのものを含んでいるが、その多くは誇大広告であり、真の価値を示すものではないと考えられている。つまり、インターネットの成長期と同じことが起きているのだ。

 もっとも、2022年にはメタバースにアクセスするためのハードウェアも一新されると予想されるため、メタバースに対する現在の疑問は意味を失うかもしれない。2022年に登場する3つのヘッドセットが、メタバースの未来を指し示す新たな基準となる。鍵を握るプレーヤーはMeta、ソニー、そしておそらくはAppleだ。一方、この3社以外にも多くの企業で新しいプロジェクトが動いている。

 私はVarjoのXR-3ヘッドセットを装着した際に、近い将来にVRの要となる技術、すなわち視線や顔の追跡、複合現実(MR)、そして他の追随を許さない超高解像度のスクリーンを体験した。

Project Cambria:Metaが投入するOculus Questの後継機

Project Cambria
Project Cambria
提供:Facebook

 Facebookが社名をMetaに変更したことでメタバース熱が高まっているが、この変更は唐突に起きたものではない。Facebookは2014年にOculusを買収して以来、AR・VRに深く関わってきた。「Oculus Quest」とQuest 2は手頃な価格と使いやすさを兼ね備えた、オールインワン型ヘッドセットとして成功を収め、次世代のVR・ARデバイスのコンセプトに大きな影響を与えた。しかし、Metaが次に投入するヘッドセットはもっと高額で、VRとARの垣根をついに取り払うものになるとみられている。

 Metaの次世代ヘッドセット「Project Cambria」の詳細はまだ不明だが、これが2021年初頭にMark Zuckerbergが語っていたOculus Quest Proであることはほぼ間違いない。Metaは、この次世代ヘッドセットをQuest 2の後継機ではなく、Quest 2にいくつもの高度な機能を加えたステップアップモデルと位置づけている。

 ディスプレイの解像度も格段に向上する。Varjoのヘッドセットほどではないにせよ、高度なクリエイティブ作業に十分対応できるレベルだ。顔と視線の追跡機能も搭載されるため、人間の感情や反応を捉え、VR上のアバターアニメーションに反映することができる。フォビエートレンダリングと呼ばれるプロセスを用いることで、グラフィックスも強化・最適化され、ヘッドセットを装着した状態で視線を合わせるだけで、VR内の物体を選択できるようになる。ただし視線の追跡機能は、これまでにないデータプライバシーの問題を引き起こすと考えられている。

 MetaのCambriaには、カラーのパススルーカメラも搭載されており、VRを現実世界に重ねることで、専用のARグラスを使わずにMR体験を実現できるようになる。私もVarjoのヘッドセットをつけることで、この効果を体感した。Cambriaが実現するMR体験のためにMetaが開発するさまざまなアプリは、今後数年間に登場する他のメガネ型ハードウェアでも利用できるようになるかもしれない。

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