Appleは、2020年の「iPhone 12」で、iPhoneシリーズのラインナップを一新した。過去最大の画面サイズを誇る6.7インチの「iPhone 12 Pro Max」とともに、最近のiPhoneの中では最小サイズの機種の1つとなる5.4インチの「iPhone 12 mini」を発売した。2021年の「iPhone 13」シリーズでは、各機種のサイズはそのままだったが、Appleは2022年に再び、iPhoneのラインナップを一新する可能性がある。そうなれば、大画面端末を好むすべてのユーザーにとって、素晴らしいニュースになる可能性がある。
Nikkei Asian Reviewの報道や、情報通のアナリストであるMing-Chi Kuo氏によると、Appleは2022年に、iPhoneシリーズからiPhone miniを廃止し、その代わりに「iPhone 14 Max」を加える予定だという。予想されている「iPhone 14 Pro Max」とはまた別の機種だ。
Appleの2022年のラインナップに関する情報はあまり多くないが、この新しい6.7インチの機種は、2022年の標準サイズのiPhoneよりも大きいバージョンになると報じられている。Kuo氏の調査メモを取り上げた9to5Macの記事には、合計で4機種のiPhoneが登場する見込みと記されている。6.1インチと6.7インチのハイエンド機種と、6.1インチと6.7インチのローエンド機種だ。事情を直接的に知る情報筋はNikkei Asian Reviewに対し、新しい6.7インチの機種は、「最大サイズのiPhone Pro Maxの比較的安価なバージョン」であるとも語ったという。
これは大きなニュースだ。というのも、過去の大型機種は大抵、最高のiPhoneのためならいくらでも払う人々にしか手を出せない価格だったからだ。もちろん、iPhone 14 Maxの価格は標準サイズのiPhone 14よりは高くなるだろう。しかし、仕様面の違いは基本的にはサイズだけになると予想されるため、「iPhone 13 Pro Max」の後継機種ほど高額にはなるまい。実現すれば、この機種は新たな顧客層、例えば大画面のスマートフォンを手頃な価格で手に入れるために、iPhoneではなく「Android」を選んでいた人々をiPhoneユーザーに変える可能性がある。
大画面のスマートフォンに一定の需要があることはAppleも承知している。2014年にはサムスンの「Galaxy Note」シリーズなどに対抗するために「iPhone 6 Plus」を投入した。大型iPhoneの系譜は2021年のiPhone 13 Pro Maxまで続いているが、そのアプローチはiPhoneの世代によって違う。
例えば、iPhone 6 Plusは実質的にはiPhone 6を大きくしただけだった。画面が大きいことを除けば、仕様はほとんど同じだ。一方、画面を大きくすると同時に、カメラ性能を大幅に向上させた例もある。例えば「iPhone 7 Plus」ではポートレートモードが導入された。これは大型モデルのみに搭載されたデュアルカメラ専用の機能で、小型モデルにはついていなかった。
このiPhone 7シリーズのアプローチは、現行のiPhone 13シリーズの戦略と近い。iPhone 13シリーズでも、大画面モデルには例外なく高性能カメラが搭載されている。iPhone 7シリーズと違うのは、「iPhone 13 Pro」という中間の選択肢が用意されたことだ。iPhone 13 ProはiPhone Pro Maxより安いが、トリプルレンズのカメラを備え、リフレッシュレートも120Hzと高い。しかしサイズは6.1インチで、標準モデルのiPhone 13と変わらない。
大画面派にとって、iPhone 14 Maxは絶妙な着地点となるだろう。iPhone 13 Proが、iPhone 13 Pro Maxよりも安く、iPhone 13よりも優れたカメラを搭載しているように、うわさされるiPhone 14 MaxはiPhone 14 Pro Maxよりも安く、かつ大画面を持つモデルとなる可能性が高い。
この種の機種は、大画面はほしいが、トリプルレンズカメラ、LiDARセンサー、マクロ撮影機能といったiPhoneのProモデル並みの高機能はいらない層に歓迎されるだろう。
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