Appleは米国時間12月13日、新たなアプリ「Tracker Detect」を「Android」向けにリリースした。「iPhone」や「iPad」を所有していないユーザーが、身に覚えのない「AirTag」などの「Find My(探す)」ネットワーク対応トラッカーが近くにある場合に、それを検出できるようにするものだ。
Tracker Detectアプリのリリースは、Appleにとって、Find Myネットワーク対応デバイスのプライバシーを強化するためのさらなる取り組みとなる。同社は約1年半前、AirTagを1個29ドル(日本では3800円)、4個で99ドル(同1万2800円)で発売した。同社はこのデバイスを、Find Myネットワーク技術を利用して、鍵やかばんなどの紛失物を簡単に見つけるための手段として想定していた。AirTagのセキュリティについても胸を張り、各AirTagの一意の識別コードを頻繁に変更することによって、ハッキングや意図せぬ追跡を防ぐとしていた。AirTagには、暗号化通信も使われている。
Tracker Detectアプリは、例えば、所有者から遠く離れた地点にある予期せぬAirTagを検出すると、それを「Unknown AirTag」としてアプリ内に表示する。トラッカーを検出してから10分以内に音を鳴らすことも可能だ。トラッカーが所有者から離れてからアプリに表示されるまで、最大で15分かかる可能性があると、Appleは述べている。
検出されたトラッカーがAirTagである場合、バッテリーを取り除くための手順がアプリ内に表示される。また、そのトラッカーが理由で身の危険を感じる場合は、警察に通報するようにと促す警告メッセージも、アプリ内に表示される。
AppleのAirTagが、他人を追跡してストーキングするための手段として使われる恐れがあると、プライバシー擁護派は警告していた。AppleのFind Myネットワーク上では、10億台を超えるiPhoneなどのデバイスが、近くにあるAirTagやその他のFind Myネットワーク対応デバイスの位置を密かに共有しているため、その範囲は、他のどのデバイス追跡サービスよりも広い可能性が高いとの指摘も出されていた。Appleは、AirTagが近くに存在することを先回りして警告する機能をiPhoneに組み込んでいるが、他のスマートフォンに対してはそうしたサポートが当時は提供されていなかったことも指摘されていた。
Appleは6月に、悪用を防ぐための新しいソフトウェアによってAirTagをアップデートした。AirTagは当初、所有者から離れても3日間は音が鳴らない仕組みだったが、このアップデートによって、音が鳴るまでの時間が8〜24時間に短縮された。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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