パシフィックリーグマーケティング(パ・リーグ)とパ・リーグの6球団、メルカリは12月16日、連携してNFT(Non-fungible token)事業に参入すると発表。12月からNFT「パ・リーグ Exciting Moments β」を共同提供する。
同日には、パ・リーグとメルカリが共同で発表会を実施。今回の事業の狙いや意図を説明した。
NFT事業という観点では、パ・リーグと西武ライオンズが共同で9月、日本プロ野球界で初めてNFTコンテンツを扱う「LIONS COLLECTION(ライオンズコレクション)」を発表。ウェブプラットフォームサービス「PLM COLLECTION」での販売を開始した。
また、11月にはディー・エヌ・エーと横浜DeNAベイスターズも、選手の名シーンをコレクションできるデジタルムービーコレクションサービス「PLAYBACK 9(プレイバック ナイン)」を開始している。
パ・リーグで代表取締役 CEOを務める根岸友喜氏は、パ・リーグ Exciting Moments βのサービスのポイントとして、「試合映像を使うところがポイント。一つの球団に所属する選手へのフォーカスでなく、対戦相手も含めた映像シーン全体を扱うことができる」と説明。球団をまたぐNFTコンテンツという観点が日本初の試みになると補足し、「まさしく、パ・リーグという企業のポリシーと合致した試み」と語った。
会見では、千葉ロッテマリーンズで活躍したプロ野球解説者の里崎智也氏が登壇。“映像シーン全体”にちなんで自身が選んだ2021年シーズンのナンバーワンプレイとして、「9月30日 ロッテ対オリックス 9回表 T-岡田選手の逆転スリーランホームラン」を紹介した。
「オリックス(・バファローズ)の優勝が決まった大きな分岐点で、(T-岡田選手が)打ってなかったらロッテが優勝していたと思う。(普段は)クールで感情を表に出さない、中嶋監督のガッツポーズまでがセット。『ヒットを打った』映像を見る機会はあるかもしれないが、ベンチ(が喜ぶシーン)までを見る機会はなかなかない」(里崎氏)とファンの気持ちを代弁し、“映像シーン”である価値を強調した。
また、メルカリ 執行役員NFT担当とメルコイン 取締役を兼務する伏見慎剛氏から里崎氏へ、同氏の現役最後のヒットシーンのNFTを贈呈。里崎氏が世界で初めてパリーグの名シーンコレクション保有者となる一幕もあった。
根岸氏は、共同事業の相手としてメルカリを選んだ理由を、「個人間取引で卓越した知見を持ち、サービス設計が優れている」と説明。パ・リーグが昨今「パ・リーグTV」などで進める、インターネットなどのデジタル領域テクノロジーを利活用した新しい価値の提供を推進していきたいと語った。「球場内はもちろん重要だが、球場外での皆様とのエンゲージメントをどれだけ高められるか。(コロナ禍を)逆に好機と捉え、新しいファンを増やしたい」(根岸氏)
また、メルカリの伏見氏も、「デジタルのコンテンツは、マーケットプレイスを拡張する一つの方向性になり得る」と、今回の共同事業のメリットについて語った。
なお、メルカリのグループ企業となる鹿島アントラーズ・エフ・シー(鹿島アントラーズ)について聞いたところ、「一つの球団やチームでできることと、リーグでできることには違いがある。その整理が(パ・リーグの方が)早かった」(伏見氏)とコメント。サッカー関連のNFTも視野にあると説明した。
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