7月にはBiden大統領が、Facebookなどのハイテクプラットフォームは新型コロナワクチンに関する誤った情報の拡散を許すことで「人々を殺している」と非難した。この発言を機に、FacebookとBiden氏の間の緊張が高まる。
FacebookはBiden氏の批判に反論し、同社は新型コロナウイルス感染症やワクチンに関する信頼性の高い情報を20億人以上に提供しており、Facebookが提供するコロナワクチン接種会場の検索ツールは、すでに330万人を超える米国人に利用されていると述べた。
その後、Biden氏はこの発言を撤回し、「人々を殺している」のはFacebook自体ではなく、ワクチンに関する誤情報だと改めて強調した。
Biden氏はFacebookに対し、「私の言葉を自社に対する攻撃と受け取らないでほしい。私が言いたいのは、ワクチンに関する誤情報や荒唐無稽なデマに対して、何らかの対策を講じてほしいということだ」と述べた。
Facebook広報の悪夢はさらに続いた。数千ページに及ぶ内部文書がリークされ、元社員のFrances Haugen氏が内部告発者として名乗り出たのだ。
10月、Haugen氏は人気テレビ番組「60 Minutes」に出演してScott Pelley氏のインタビューに応じ、「Facebookは繰り返し、自社の利益、例えば売り上げを伸ばすといった利益のための最適化を選択した」と語った。Haugen氏は米議会に2度出席し、さらには英国議会でも証言している。
WSJの報道後、Haugen氏が持ち出した内部資料、いわゆる「Facebook文書」は他の米報道機関にも提供され、関連記事が次々と出た。その内容は、Facebookが発展途上国で有害なコンテンツの規制に失敗していること、10代の若者のFacebook離れ、2020年の米大統領選でFacebookが十分な誤情報対策を講じなかったことへの従業員の不満など、多岐にわたった。
議員たちは、Facebookが若者のメンタルヘルスに与える影響について、今も追及の手を緩めていない。12月8日にはInstagramのCEO、Adam Mosseri氏が米議会で初の証言を行った。米各州の司法長官らも、FacebookがInstagramの有害性を認識していたにもかかわらず、子どもや10代の若者にこのアプリの利用を促していたことが州の消費者保護法の違反にあたらないかを調査している。
Facebookは10月に大規模なリブランディングを発表し、メタバースが「モバイルインターネットの後継」になるという信念の下、社名をMetaに変更した。メタバースとは、人々が3Dアバターなどを利用して集い、遊び、働く場となる、まだ明確な定義のないデジタル環境のことだ。
同社では、このビジョンを実現するための取り組みが着々と進行している。9月には、Ray-Banと共同開発した初のスマートグラスを発売した。ボタン1つで写真や30秒程度の動画を撮影でき、音楽やポッドキャストの再生、通話も可能だ。スマートグラスの発売は、Facebookが拡張現実(AR)に対応したメガネの開発に一歩近づいたことを示している。
11月には、バーチャル環境でリアルな触覚を再現する触覚グローブの試作品が発表された。この他、手首を利用して脳からの神経信号を捉えることで、身体を動かさず意図するだけでアクションを実行するテクノロジーの研究も進行している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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