NTTドコモ、阪急阪神百貨店、阪急阪神不動産の3社は、12月7日から1月10日にかけて大阪梅田エリアで、ドコモのXR体験アプリを活用したイベント「XRシティ OSAKA-UMEDA」を開催する。
本イベントは、阪急うめだ本店で12月9日から1月10日まで開催される「アニメージュとジブリ展」(ジブリ展)と連動しており、4カ所あるスポットでさまざまなXRコンテンツが体験できる。
体験スポットは、阪急うめだ本店の9階にある祝祭広場と屋上、阪急サン広場、うめきた外庭SQUAREの4カ所で、ドコモのXR体験アプリ「XRシティ」を使ってコンテンツを楽しんだり、写真や動画を一緒に撮影して保存したりできる。
例えば、祝祭広場ではアプリを起動してスマホをかざすと、クリスマスイルミネーションや広場全体に雪が降るエフェクトが楽しめ、空間にらくがきを書いてアプリに保存しておける。ジブリ展と連動したコンテンツはクリックすると情報が表示され、リアクションなどもつけられる。
屋上や阪急サン広場では、ジブリ展に展示されている「天空の城ラピュタ」をイメージした造型物が空に浮かんでいるのを見られる。アニメージュの表紙はスポットによって種類が異なり、3カ所以上で撮影した写真をジブリ展のスタッフに見せると「修了証」がもらえる。そのほかにもドコモの人気キャラクター「ポインコ」のダンスや、翼をモチーフにしたデジタルアートがあり、スポットによっては関連する施設のクーポンが手に入る。
本イベントは、新宿エリアで実施された「XRシティ SHINJUKU」の梅田エリア版で、コンテンツの開発はいずれもクラウドサーカスが手掛けている。Googleの「AR Core」をベースに「Unity」でコンテンツを作り、「Android」と「iOS」の両方で同じものが見られる。
コンテンツの表示にはARマーカーなどを使う代わりに、GPSと特長ある建物をカメラに映してアンカーにしており、決められた位置からカメラで建物を映してXRカメラを起動させれば、あとは場所を移動してもいろいろな方向からコンテンツが見られる。表示されるコンテンツはアプリに入っているためダウンロードするのはやや重たいが、アプリの操作やメニューの切り替えはスムーズで、コンテンツの表示やエフェクトもサクサクいける印象だ。
今回のXRの活用についてNTTドコモ ビジネスクリエーション部XR推進室ビジネス推進担当部長の奥村浩之氏は、「新宿と同じくビルが建ち並ぶ梅田エリアでXRを活用し、観光地とは違うプラスアルファの魅力で場所や施設の価値を高め、新しい発見や街づくりにつなげていきたい」と語る。
阪急阪神不動産 都市マネジメント事業部梅田まちづくりグループ課長の大谷文人氏は「各スポットに連携するコンテンツを提供しており、デジタルの力でいつもの場所がどう変わり楽しんでもらえるのか期待している」とコメントした。
阪急阪神百貨店 営業政策室海外顧客化推進部DMの白井康之氏は「施設内でこれだけXRを使う例は珍しいのではないか。継続した運用も考えている。今回はイベントとの連動だが、商業施設の魅力アップやこれから戻ってくるであろうインバウンド向けの多言語対応なども含めて展開を検討していきたい」と話す。また白井氏は、デジタルを活用するもう一つの狙いとして、Z世代へのアプローチを挙げており、「メガネ型のARデバイスの普及なども視野に入れながら、新しい取り組みを考えていくつもり」だとしている。
新しいスマホにはAR機能が標準搭載され、どこでも手軽に使えるようになりつつある。XRもいよいよエンターテインメントからマーケティングやビジネスでの活用が本格化し、街中でスマホをかざして情報を得るのが当たり前になる未来もそう遠くはなさそうだ。
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