小田急電鉄とNTTドコモは6月23日、両社が協業する新宿エリアのまちづくりプロジェクト「XRシティ SHINJUKU」の第2期としてリリースしたスマートフォン向けアプリ「XRシティ」の発表会を開催した。
Android/iPhone向けのアプリ「XRシティ」は、スマートフォンのカメラを活用したARコンテンツを提供し、スタンプラリーのような遊び方ができる。具体的には、SNSなどの投稿向けに合成できる「アート&空間落書き」、リアル脱出ゲームなどをプロデュースする会社が手がける「謎解き」、銀魂のキャラクターやドコモのポインコなどと会話できる「キャラクター」の3種類のコンテンツを用意している。
キャラクターモードでは、ビックカメラやマクドナルド、小田急百貨店などの"リアルで使える"チケットを画面内のバナーから獲得できる。筆者もキャラクターモードやアート&空間落書き機能を体験してみたが、取材日は不安定な天候で傘を差している人もいたので、アート&空間落書き機能とあわさって“映える”画像を作ることができた。
3つのコンテンツのなかでも特に「謎解き」は秀逸だ。歌舞伎町エリアにあるリアル脱出ゲームアトラクション「東京ミステリーサーカス」を運営するSCRAPが制作したこともあり、難易度は高め。筆者は早押しのフラッシュクイズが得意ということもあり、この手の謎解きなら大丈夫と高をくくっていたら5分も頭をひねるはめに。だが、アプリにはヒント機能もあるので、苦手な人でも楽しめるようになっている。
3種類のコンテンツは、比較的広いエリアにスポットが設置されていることもあり、新宿を探検するには好適だろう。
XRシティ SHINJUKUは、2020年11月に第1期プロジェクトを実施しており、今期で2回目。第2期プロジェクトは8月8日まで開催し、前回の小田急百貨店・新宿サザンタワーエリアから地域を拡大し、新宿中央公園や歌舞伎町エリアなどもスポットエリアとした。
NTTドコモ ビジネスクリエーション部 XRビジネス推進 担当部長の奥村浩之氏は、2回目となるプロジェクトについて「(2020年開催の第1期プロジェクトと比べると)いくつかの施設で、趣向の違うものを別々の体験の仕方で提供している。前回のイベントでは当初の目標を達成したが、課題として残ったのが“場所と場所をつなぎ、そこからお客さんを誘導する”という点。最終的には、たとえば小田急百貨店のなかにお客さんが入っていくような動きを期待値として持っている。今回は、複数のコンテンツを集約した形で提供するので、お客さんの動きを見ていければ」とコメントし、第1期の結果や課題点を踏襲したものとした。
アプリのターゲットについては「(アート機能に象徴されるように)どちらかというと、ご年配の方というよりは20代から30代がメインターゲットになるのではないか。ただし、XRシティのアプリ内には、謎解きやキャラクターが登場するものなど、使い慣れている方からそうでない方まで、コンテンツのレイヤーを調整しながらいろいろ入れられる」と、コンテンツ内容でさまざまな層のニーズに応えられると答えた。
また、今後の新宿以外での展開予定などについて、小田急電鉄 まちづくり事業本部 新宿プロジェクト推進部 課長の北島大氏は、「今の時点での具体的な展開予定はないものの、これから先を考えたときに(アイデアレベルだが)都市の中で楽しむということ以上に、観光地などと親和性が高いと考えている」とし、今回の取り組みの結果次第ではあるが、観光地での展開なども考えられると展望を述べた。
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