Oura Ring 3は工学的にも優れているが、ハードウェアだけではなく、スマートフォンアプリから垣間見えるアルゴリズムやインテリジェンスも魅力的だ。Oura Ring 3の新機能のうち、スマートフォンアプリから利用できるのは日中の心拍数(とリアルタイムの心拍数を確認できるボタン)、生理日予測、そして強化された温度センシングだ。研究グレードの7つのセンサーを使って体温を読み取ることができるので、病気の早期発見に大いに役立つ。
スマートフォンアプリは、「ホーム」「コンディション(Readiness)」「睡眠」「アクティビティ」という4つのメインタブで構成される。「ホーム」画面には、インサイト、現在の状況に合わせたガイダンス、進捗状況、コンディションや睡眠のサマリーが表示され、スワイプすれば他の日のデータも閲覧可能だ。各項目をタップすれば詳細情報が表示されるので、データの意味を理解しやすい。例えば、現在の心拍数の項目をタップすると、その日の心拍数に関する情報が表示され、安静時間、睡眠時心拍数の範囲、日中の心拍数の範囲が表示される。タップすると詳しい説明が表示されるので、データの意味や生活への影響が分からなくて悩むということもない。
「コンディション」ページには、過去数日間のスコアが表示される。安静時心拍数、心拍変動、体温、呼吸速度に加えて、コンディションスコアに影響する様々な要素が棒グラフで表示される。こうしたデータの一部はページの下部にも登場する。
「睡眠」ページも同じようなレイアウトになっており、睡眠スコア、合計睡眠時間、入眠までの時間、睡眠効率、安静時心拍数、睡眠コントリビューター等が表示される。病気の早期発見に役立つとして人気の高い、睡眠中の血中酸素の測定機能はまだ実装されていないが、2022年中のアップデートで搭載予定だ。
「アクティビティ」ページも他のページと同様の構成になっており、ワークアウトを手動で追加したり、瞑想に活用したり、活発に過ごした日にタグを付けたりすることができる。
Ouraのデータをステッカーやさまざまなデータのサマリー、チャートの形で共有できる機能も用意された。左のメニューからは、自分のプロフィールや目標、傾向、スリープサウンド、休息モード、設定、ヘルプにアクセスできる。
Oura Ring 3には、さまざまな新機能が搭載されているが、2021年終盤から2022年にかけて、さらに複数の新機能が追加されるという。今後のスケジュールは次のとおりだ。
Oura Ringのデータは、医療専門家が病気の発見や診断、症状の評価、回復状況の判断に利用するなど、研究分野でも活用されている。
2週間のテスト期間では、Oura Ring 3の全機能は評価しきれなかった。しかも、そのうちの10日間は出張に出ていたため、ランニングやサイクリング、ハイキングといった活動も十分に実施できていない。今後追加予定の機能もあるため、テストは継続する予定だ。
ちょうど「Fitbit Charge 5」「WHOOP 4.0」「ScanWatch」もテストしているので、同じデータを複数のトラッキングツールで取得してみた。テストが最も楽だったのはOura Ring 3だ。私の場合は結婚指輪と置き換えるだけだったので、ほとんど意識せずに計測を続けられている。日常の活動を特別な努力なしに記録できるというのは最高だ。現在のところ、Oura Ring 3が記録している大量のデータは他の健康・フィットネストラッカーとおおむね同じ傾向を描いている。
ただし、睡眠の深さに応じた睡眠時間のデータは他のトラッカーと大きく異なっていたので、長期的に追跡する必要がありそうだ。安静時心拍数、心拍変動、呼吸速度はいずれも他のトラッカーと同等の結果が得られた。
2週間使ってみて、Oura Ring 3が特に役に立ったのは、睡眠の質を上げるための就寝時間と就寝の準備に関するガイダンスだ。出張が入ると体内時計や日常の習慣が崩れがちだが、11時間のフライト後に車で5時間移動した日を除けば、Oura Ring 3のおかげで健康的なパターンを維持できた。
私が現在、テストしているウェアラブルデバイスは、Oura Ring 3を除いて、昼寝はトラッキングしない。私は2週間のテスト期間中に2度昼寝をしたが、Oura Ring 3についてはそれなりのデータを取得できていた。「Google Fit」アプリやAppleの「ヘルスケア」アプリとの同期も問題ない。スポーツウォッチや特定のアクティビティーデータとの連携については今後探っていきたい。
Oura Ring 3はとても便利で、シームレスに使用でき、有益なデータやガイダンスを提供してくれる。しかし私が試した他のウェアラブルも同等か、それ以上の機能を実現しており、しかも価格はOura Ring 3より安い。Oura Ring 3の最大のセールスポイントは指輪型であることだが、これが私の生活に最も適したトラッカーだという確証はまだ得られていない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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