しかし、EMGがすでに実際の製品への採用に近づいているのに対し、触覚グローブは未だに研究所でテストされている段階にある。Abrash氏は、「おそらく、常に使用する1つの入力システムが登場するはずだ。それがどんなものになるかは分からない。ビクトリア時代の人々と同じように、誰もが毎朝グローブを着用するようになるかもしれない。人々は終日そのグローブを着用し、そのグローブはEMGも備えている」と話す。「だが、EMGは、人々が完全にシームレスな方法で頭脳から自分の欲求を表現することを可能にする非常に強力な手段であって、ARに携わっている私から見ると、われわれが近い将来、それを打ち負かすところを想像するのは、少し難しい。EMGは製品化が近づいているテクノロジーだ。いつになるのかは分からないが、10年もかかることはないだろう。触覚グローブは、研究段階にある。いつ出荷されることになるのかは分からない。10年かかるかもしれない。だが、触覚グローブは実に多種多様なニーズに対応する。コマンドを表現する手段ではなく、実際に世界で何かの役割を果たすための手段だ」
つまり、MetaはEMGについて、まもなく家庭で使用されるようになるものとみなしている。一方、触覚グローブがそれほど早い時期に登場することはない。
Abrash氏によると、同氏の研究グループは、Metaのコンシューマー製品チームが取り組んでいるものよりもはるかに遠い目標に焦点を合わせているので、触覚グローブがまもなく登場する予定はないという。しかし、同氏はMetaのビジョンの多くについて、進行中の取り組みとみなしており、触覚技術と未来の入力テクノロジーはその大きな部分を占めている。
「われわれは、7年以上にわたって、あらゆるバージョンのメタバースの基盤となる、支柱の開発に取り組んできた」とAbrash氏。「今、満足できる水準のアバターがあるのなら、あなたと私はこれ(この会話)をVRで行っているはずだろう。われわれは、メタバースの基盤となるテクノロジーの開発に取り組んでいる真っただ中だ。ずっとそれに取り組んできた。そして、メタバースが巷の人々の話題に上るようになった。私は、『素晴らしい、世界が追いついてくれて嬉しい。このために準備してきてよかった』と感じている」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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