Meta(旧Facebook)はメタバースで何を目指すのか--担当VPに聞く(1) - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 編集部2021年11月12日 07時30分

 これはソーシャル面の話です。もちろん、クリエイターの面でも同様のことが言えます。2次元メディアの構築とは違うということです。(Facebookの)動画を撮影しているクリエイターが全員、(FacebookのメタバースであるHorizon Worldsの)ワールドをすぐに構築できるとは限りません。しかし、Instagramのクリエイターが、自分の作品を表現するワールドを持ち、そこにファンを招待できると想像してみてください。同期的な空間が、非同期的な空間の地図となるのです。これは1つのアイデアにすぎませんが、2つの世界に橋をかけることの重要性をわかっていただけると思います。

——Instagramには巨大なクリエイターの世界が存在し、Facebookでも大勢の人がいろいろな活動をしています。こうした人々が、それぞれの領域を行き来するようになるまでに、どのくらいの時間がかかると思いますか。

 2、3年もすれば兆しが見えてくると思います。今日は5年、10年といった数字が出ていましたが、それよりも早いタイミングです。ただ、2次元を想定した体験をVRに求めることが正しいのかは分かりません。2次元の体験の一部を切り取り、VRで再現することは難しくないので、今日話に出たような進歩的なウェブアプリの中から、そうした体験を提供するところが出てくるかもしれません。しかし長期的には、最初からVRを想定して開発された、没入感のある体験が提供されるようになるでしょう。

 逆もまた然りです。VR用に開発された3D体験をスマートフォンで表示した場合、どのような見え方になるのか。どのようなインターフェースで操作し、どのようにその空間を動き回るのか。VRと2次元を行き来するためには、解決すべき問題がたくさんあると思います。

Horizon Worlds
MetaのVRによる創造的空間「Horizon Worlds」はまだプライベートベータの段階にある
提供:Facebook

——先日、「Horizon Worlds」上でチームのメンバーと会いました。もちろん、まだベータ版の段階であることは分かっていますが、あなたが目指しているのは、人々が同時に接続する空間を作ることですか、それとも当面はスマートフォンやPCでの活動が中心となるのですか。(Reality Labs担当バイスプレジデントの)Andrew Bosworth氏は、今後はデジタルグッズが注目を集め、「境界を越えるようになる」と言っていました。(デジタル作品を)プラットフォームを超えて持ち運べるようになるのですか。

 ここ数年、私たちはクリエイターの収益化、チップ機能、サブスクリプションなどに取り組んできました。コマースの分野で積み上げてきたことの一部は、新しい取組みにもそのまま適用されるでしょう。プラットフォーム間の連続性、つまり、デジタルグッズは境界を越えるのかということですが、これはメタバースが提供する体験全般に関わる重要なポイントです。「同じ空間に同時に存在する」という考え方がある一方で、「異なる空間の間の連続性を確保する」という考え方もあります。

 もちろん、プラットフォーム間の連続性は確保したいと考えていますが、私たちが目指しているのは、Metaが構築したものと第三者が構築したものを相互運用できるようにすることです。コマースの面でもクリエイターの面でも、システム間の相互運用性こそ、私たちが取り組み、実現しようとしているものなのです。

——他のアプリやエコシステムとの間で、コンテンツのやり取りが生じるということですか。オープン性が大きな問題となりそうです。

 まさに、その問題に今、取り組んでいるところです。私たちが新しい取組みを、これほど早くから発表したことはありません。これまでの発表は、大体が「当社は〇〇を行います。次世代サービスの内容は〇〇であり、来週から提供を開始します」というものでした。でも、今回は違う。今回は、私たちが目指すものを早い段階で明らかにし、すでに分かっていることだけでなく、まだ分からないことについてもお伝えしています。

 私たちが作る体験と、他社が作る体験の間を、人々が自由に行き来できるようになってほしいと思います。問題は、それをどう実現するかです。どのスタックで実現するか、オープンな標準規格が作成されるのか、それとも共通のプロトコルAPIが登場するのか。こうした点はこれから考えていかなければなりません。

 第2回に続く。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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