新たな検索エンジン「You.com」が、プライバシーの向上と検索結果のカスタマイズ性を約束し、Googleの独占状態に挑む。You.comを手がける新興企業が米国時間11月9日、この検索エンジンのパブリックベータ版のサービスを開始した。複数のベンチャーキャピタルのほか、テック界の大物でSalesforceの最高経営責任者(CEO)であるMarc Benioff氏から総額2000万ドル(約23億円)の資金を調達している。
You.comの検索サービスで、ユーザーの個人情報を販売したり、ユーザーをオンラインで追跡したりすることはなく、ターゲット広告も表示しないと同社は説明している。ユーザーは、好みに応じてカスタマイズが可能なパーソナルモードで検索を実行できる。このモードでは、改善が必要な検索などを記録する。プライベートモードでは、ユーザーの検索クエリーやIPアドレスは記録されないという。
You.comは検索結果を格子状のタイルに表示し、ウェブサイト、YouTube動画、画像、ツイート、TikTok、RedditやLinkedInの投稿といった種類別で結果を表示する。現在は英語のみで、米国にフォーカスしたアプリをサポートしている。
You.comのCEO、Richard Socher氏は次のように述べている。「当社の革新的なインターフェースで、ユーザーは好みに応じて、左右にスワイプしたり、情報ソースを上下に動かしたりして、コンテンツに触れることができる。明確なパーソナライゼーションとカスタマイズによって、ユーザーに真の主体性を与えることが重要だと考えている」。Socher氏は自然言語処理の研究者であり、以前はSalesforceのチーフサイエンティストだった。同氏は、Salesforceの元リードリサーチサイエンティストで深層学習などに取り組んでいたBryan McCann氏と共同でYou.comを立ち上げた。
You.comは、検索最大手のGoogleに挑む小規模企業の1社となった。分析企業StatCounterの調査によると、Googleは世界の検索エンジンの市場シェアで92%を占めているという。「DuckDuckGo」「Brave」「Ecosia」「StartPage」はいずれも、プライバシーを重視することを約束している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」