米下院は米国時間11月5日、1兆2000億ドル(約136兆円)規模の超党派によるインフラ投資法案を可決した。同国の老朽化したインフラに対する多数の改修に加えて、議論を巻き起こしている仮想通貨取引に関する税務報告義務が盛り込まれている。上院では8月、仮想通貨に関する条項の修正案が議員らによって阻止された後に、このインフラ投資法案が可決された。
議論となっているのは、内国歳入庁(IRS)に報告義務のあるブローカーの定義を拡大することを目的とした、この法案の中の税務報告義務に関する条項だ。この条項により、現行の税法の下ですべてのブローカーに報告義務が課されることになる。しかし、仮想通貨業界を推進する人々からは、その定義はあまりにも範囲が広すぎて、仮想通貨のマイニング(採掘)業者など、実際には取引に関与しない業者も課税対象になってしまうという懸念が上がっていた。
この法案の中には、税法第6050I条を改正する条項も含まれている。1984年に制定されたこの法律は、1万ドル(約110万円)を超える個人間取引に適用され、受領者は送金者の個人情報を確認し、社会保障番号、取引内容などの情報を記録して、15日以内に政府に取引を報告することが義務付けられている。これを怠ると重罪が課されるが、弁護士からは、仮想通貨やNFT(non-fungible token)などのデジタル資産に適用されると、この法律を順守することはほぼ不可能だと指摘する声が上がっている。
この条項に反対する意見が出たことで、同法案の上院での可決が遅れた。しかし最終的に上院は、この条項の修正案を採用することなく法案を可決した。
同法案は今後、ホワイトハウスでのJoe Biden大統領の署名をもって成立する。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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