沖電気工業(OKI)は11月8日、名古屋大学、楽天モバイルと、自律移動サービスを実現する自律ネットワークに関する研究開発を開始したと発表した。期間は、2021年10月〜2025年3月末。
今回発表した研究開発は、情報通信研究機構(NICT)が公募した「Beyond 5G研究開発促進事業」の一般課題の研究開発項目「協調型自律ネットワークの研究開発」を実施するものとなる。具体的には、協調型自律ネットワーク基盤技術の確立と、自律移動ロボットの連携による効率的な映像配信サービスやIoTサービスの実現を目指すという。
5Gの次の通信規格である「Beyond 5G」が導入される2030年に向けて、生活のあらゆる場面で通信技術が活用されることによる通信量の大幅な増加、多様化するネットワークへの要求などに対し、人の手を介することなく、ネットワーク自体の自律的な対応が必要とされている。
自律ネットワークは、人間のエンジニアのようにネットワークを管理できる人工知能(AI)をネットワークのシステムに組み込むことで、将来的にすべてのオペレーションをネットワーク自体が単独でこなし、多様なニーズにも自律的に対応できるモバイルネットワークとなる。
そこで3者は、サービスの通信に対する要求に自律的に応答し、多様なサービスと協調しながら安定して動作する自律ネットワーク(協調型自律ネットワーク)に関する研究開発を行い、ネットワークのオペレーションをこれまで以上に自動化するための自律ネットワークに関する基盤技術と、その応用技術の構築を目指す。
加えて、自律ネットワーク基盤技術と連携し、周囲の環境に適応しながら移動できる自律移動ロボットを開発。ロボットによる効率的な映像配信サービスやIoTサービス提供の実現を目指すという。
なお、同研究開発において同社は、自律ネットワーク上で自律移動ロボットやモバイル端末などが高画質映像を高品質で受信、送信できるように、自律ネットワーク上の双方向CDN(Contents Delivery Network)制御の研究開発を行う。
名古屋大学では、自律移動のためのモジュールや、カメラ・マイク・スピーカー・ディスプレイ、ロボットハンドや録画用ディスクなど、さまざまなサービスモジュールを組み込み、必要に応じてネットワークに帯域などのサービス要求を行う自律移動ロボットの研究開発を実施。
楽天モバイルでは、CDNや自律移動ロボットを含む多様なサービスの要求に対し、自律的に対応できるモバイルネットワークの実現に向けた研究開発を行うという。
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