WHILLは10月19日、近距離モビリティ(次世代型電動車椅子)の新モデル「WHILL Model F(ウィル モデル エフ)」と、レンタルサービス「WHILL日額レンタル」を発表した。いずれも11月1日から提供する。
一般的に重さ30kg以上(バッテリー込)が多い電動車椅子の中で、約27kgという軽量化を実現した。航続距離は20kmで、充電時間は5時間、最高速度は6km/h。
WHILL 事業開発・戦略室に所属する赤間礼氏は、「(WHILL Model Fで)保管場所がない、重い、価格が高いという電動車椅子の課題解消を目指す」と説明した。
フットペダルを支えながらシートフレームパイプを上方向に引き上げ、ロック解除ボタンを押すだけで折りたたみ可能。スペースに制約がある場所での収納のしやすさ、列車など長距離移動時の持ち運びやすさも特徴だ。飛行機などでは手荷物として預けることもできる。
サイズは、使用時が約高さ802mm×幅555mm×長さ935mm、折りたたみ時が高さ855mm×幅555mm×長さ465mmとなっている。
提供価格は26万8000円(非課税)。重さ、価格ともに2020年9月に発表した「WHILL Model C2」と比べて半分程度になるという。カラープレートはライトブルーのほか、ホワイト、レッド、ブラック、ライトグリーンの5モデルを用意する。
WHILL日額レンタルは、WHILL Model Fの短期レンタルサービス。3日間、4日間、5日間、7日間、10日間、14日間、20日間、30日間の8種類のレンタル期間から選択でき、自宅、ホテルなどの指定した場所で受け取れる。
3日間レンタルの場合の利用料金は、送料別で1日あたり3840円(非課税)。カラープレートはライトブルーのみ。ウェブと電話で受け付けるほか、より多くのユーザーが気軽に利用できるよう、ダイナースクラブカード事業を運営する三井住友トラストクラブ、日本航空との協業も発表した。
同社の調査では、50~64歳の男女の8割以上が、定年となる65歳以降に「何かしたいことがある」と回答。一方、65歳以上の3人に一人が歩きづらさを感じていることもわかったという。
また、定年後にしたいことの最多得票は、「国内旅行・遠出」。WHILL 代表取締役社長 CEOの杉江理氏は、近距離モビリティ市場のポテンシャルと、より敷居が低い製品、サービスの必要性を強調する。
「この100年間、自動車関連のビジネスは『モノ』『サービス』『ファイナンス』という形でビジネスモデルが拡充されてきた。ハードウェアとソフトウェアを提供しながら、“近距離モビリティのエコシステム”を構築したい」(杉江氏)。人生100年時代におけるシニアの自己実現を応援するための新たなソリューションを提供すべく、330兆円規模の「原動機付個人移動装置」に類似した業界を目指すと語った。
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