気象庁は10月12日、気象や噴火に関する特別警報の緊急速報メールによる配信を10月28日に終了すると発表した(※その後、いったん見送ることを明らかにしている。追記参照)。今後は、自治体における避難情報の発令の支援や防災アプリなど、プッシュ型の通知サービスの普及拡大を推進していくという。
今回の処置は、防災気象情報と警戒レベルの対応が整理されたことや、自治体の避難情報が、緊急速報メールなどのプッシュ型の伝達手段で通知される体制が整ってきたことを受けて実施されるものだという。
同庁では、特別警報の認知度の向上を図るとともに、迅速な防災行動につなげることを目的として、2015年11月より、気象や噴火に関する特別警報を緊急速報メールで、携帯電話ユーザー向けに配信してきた。それから6年近くが経過し、気象については、避難情報と紐づけられた警戒レベルが導入されている。また、警戒レベル5相当の特別警報を待つのではなく、自治体からの具体的な避難情報に基づき、警戒レベル4までに必ず避難することが重要と整理されている。
火山についても、活動火山対策特別措置法に基づき、噴火警戒レベルの導入と連動して、自治体が対象となる地域を明確にして避難指示の発令や立ち入り規制などを行うようになってきた。
また、防災行政無線に限られていた避難指示等を住民に伝達する仕組みとして、緊急速報メールの利用がすべての自治体で可能となったほか、自治体が配布する防災ラジオや防災アプリなども充実してきている。さらに、さまざまな種類の防災情報を配信するプッシュ型のサービスが普及。避難に必要な情報を入手できる環境が整ってきていると説明する。
そのため、自治体からの具体的でわかりやすい避難情報に基づく適切な防災行動をとってもらう観点から、特別警報が発表されたことだけを伝えている気象に関する特別警報(大雨、暴風、波浪、高潮、大雪又は暴風雪の特別警報)と、噴火に関する特別警報(噴火警報<居住地域>が該当)については、10月28日で同庁からの配信を終了することになった。
なお、緊急地震速報、津波警報・大津波警報の緊急速報メールは継続(携帯電話事業者から配信)されるという。
【10月16日1時35分追記】
気象庁は10月15日、今回の発表を受けて「配信の終了により避難に必要な情報を得られなくなるのではないかといった懸念の声が寄せられている」とし、配信の終了をいったん見送ることを明らかにした。
全国の地方自治体において、気象庁の情報に基づいて住民に避難を促す情報提供が適切に機能しているかについて今一度ていねいに確認作業を行うという。確認作業の結果は、作業が終わり次第知らせるとし、また、配信の終了はその結果に即して進めるとしている。
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