Facebookは米国時間9月16日、害を及ぼすために組織的に活動する実在ユーザーのアカウントグループに対して、これまでよりも厳しい措置を講じると発表した。
同社は既に、ヘイトスピーチ、嫌がらせ、新型コロナウイルス関連の有害な偽情報の投稿に対する規則を設けている。しかし、そうした種類のコンテンツは、単なる個人ではなく、強固に組織化されたアカウントグループによって拡散される場合がある。Facebookは、テロリスト組織などの危険なグループを禁止する規則も設けているが、すべてのグループにその規則が適用されるわけではない。
Facebookのセキュリティチームは、目的と身元について他者に誤解を与える偽アカウントに対する措置を定期的に講じている。同チームは今回、実在するアカウントを使うことで措置の適用をかいくぐり、有害コンテンツを拡散しようとするグループの取り締まりに乗り出した。同社は、そうしたアカウントからのコンテンツのリーチを制限したり、それらの実在アカウント、ページ、グループを削除したりする可能性がある。
偽情報やヘイトスピーチに対する対策が十分でないという批判を頻繁に浴びているFacebookは、この新しい取り組みによって、有害なアカウントをより迅速かつ容易に削除できるようになる可能性がある。しかしその一方で、政治的発言を意図的に検閲しているとして同社を批判している保守派の団体などからの批判が、さらに高まる可能性もある。同社は、検閲しているとの批判を否定している。
「この課題が複雑であることを認識している。われわれは実在ユーザーによる組織的活動について、社会的変化を目指して組織的に活動する人々と、デジタルで害を引き起こす恐れのある敵対的ネットワークを区別するために、慎重かつ熟慮を重ねて措置を講じる必要がある」と、脅威防止担当ディレクターを務めるDavid Agranovich氏は記者会見で述べた。
Agranovich氏は、アカウントが害を拡散するための強固に組織されたものであることを示す「技術的シグナル」に同社は着目していると述べ、その痕跡は、コンテンツをただ繰り返し投稿する行為よりも「深い」と述べた。
例えば同社は、ドイツのQuerdenken運動に関連するアカウント、ページ、グループをFacebookとInstagramから削除した。このグループは実在ユーザーのアカウントを使って、新型コロナウイルス関連の陰謀論などを投稿していたほか、Facebookのコミュニティー規則に繰り返し違反していた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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