ビットキーは、東京都中央区のオフィスビル「東京スクエアガーデン」に顔認証での解錠や非対面受付などを導入したオフィスを開設。「既存のビル丸ごとデジタルトランスフォーメーション(DX)」を実施し、新しい働き方を提案している。
既存のビル丸ごとDXは、東京スクエアガーデンを保有する東京建物協力のもと実現したもの。同ビル内のシェアオフィスから9階の自社オフィスへとビットキーが移転したタイミングで、各種機能を整えた。新たな働き方ができるオフィスとして機能する一方、ライブショールームとしての役割も果たす。
導入しているのは、ドア、エレベーターなどの顔認証、QRコード認証、非対面でのスマート受付、オフィス内における混雑状況、利用状況の可視化、社員の位置情報確認、アプリを通じての席予約、個室ブースの顔認証予約など。オフィス専有部に加え、ビル共有部もカバーする。
東京建物 取締役専務執行役員の小澤克人氏は「東京スクエアガーデンはビットキーに入居いただき、卓越した技術を活用いただくことで、新しい働き方を実践するオフィスビルとして生まれ変わろうとしている。コロナの影響で在宅勤務やリモートワークが強く推奨される中、オフィス不要論という極端な声が一部で聞かれる状況もあった。しかし、コミュニケーション不足や生産性低下など、在宅ワークの弊害や懸念も出てきており、改めてオフィスが必要という声も聞かれている。コロナ収束後には、リアルオフィスが再評価されると感じているが、コロナ前と同じようにはならないだろう。今後はリアルとリモートワークのハイブリッドな新たな働き方を模索していくことになると思う。その新しい働き方を実践する一つの有力な解がビットキーの『workhub』を活用したプラットフォームそのものだと感じている」とコメントした。
ビル共有部であるドアやエレベーターには、workhub Cloud (Web)+bitlock GATE+Room Support+bitlock 顔認証オプション for iPadを配置し、顔認証・QRコード認証等に対応。地下駐車場からオフィスエントランスまで、ビル内12カ所のドアを顔パスで通過できるようにしたとのこと。エレベーター制御とも連動しているため、顔認証・QRコード認証実施時に通行者のアクセス可能な階数を判別し、着床制限の解除も可能だ。従来はICカード認証でドアを解錠していたが、ビットキーのスタッフは顔認証で通過しているという。
スマート受付では、workhub Cloud(Web)+workhub Reception+bitlock 顔認証オプション for iPadを組み合わせ、QRコードによって受付を完了。同じQRコードで各ドアの認証が可能になるだけでなく、受付で顔を登録すれば、次回からアポイントの時間のみ顔認証での入室ができるようになる。
ビットキーオフィスでは、専用のカメラを天井に設置し、AIを用いた映像解析技術を活用して、その場にいる人数を算出。混雑状況・利用状況を自動で可視化している。各エリアの状況は、執務エリアやエントランスのモニターにリアルタイムで表示している。
現在約150名の社員が働くオフィスだが、コロナの影響で出社率は半分程度。座席は、エンジニアと管理部以外はフリーアドレスを採用しているとのこと。誰がどこにいるのか確認できるよう、スマートフォンのBluetoothとオフィスに設置されたビーコンに加え、オフィスへの入退室ログや座席へのチェックイン情報を取得することで、workhubアプリから社員の居場所を確認できるようにしている。
また出社時の座席は、workhubアプリを通じて事前に席を予約し、座席の空き状況を可視化することも可能。各席に貼られたQRコードを読み込んだり、NFCタグにかざすことでスムーズに予約し、チェックインすることも可能だ。このほか、会議室、個室ブースの予約や解錠も顔認証で実施しているという。
ビットキー 代表取締役CEOの江尻祐樹氏は「テレワークやリモートワークの高まりにより、オフィスの空室率は軒並み上昇している。その中でオフィスビルは選ばれるビルになることが求められている。新築のビルで最新設備を導入するのはやりやすいが、既築のビルは改修に費用や時間がかかってしまうというのが今までの常識だった。今回workhubを導入した東京スクエアガーデンは既築8年。しかし、設計、着工、稼働までたった3カ月でビルをアップデートできた。現在はエントランスとビットキーが入居するフロアのみだが、すでにほかのテナントからも引き合いがあり、即展開できる」と話した。
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