カリフォルニア州の住民投票で2020年11月に可決された発案「Proposition 22」に対し、カリフォルニア州判事は米国時間8月20日、州憲法に違反しているとの裁定を下した。Proposition 22は、UberやLyftなどのギグエコノミー企業で働く人を従業員とせず、個人事業主と位置付けられるようにするものだ。
アラメダ郡高等裁判所のFrank Roesch判事は、この発案は州が職場の基準を設定する能力を不当に制限すると裁定した。同判事はProposition 22について、「将来の議会がアプリベースのドライバーを労災法の対象となる労働者として定義する力を制限するものだ」と記した。
Proposition 22は、UberやLyftなどのギグエコノミー企業が2億500万ドル(当時のレートで約210億円)以上を投じて有権者に支持を呼びかけた結果、2020年11月に可決された。今回の違憲裁定を受けて上訴が見込まれており、審理が続く間Proposition 22は効力を保つとみられる。
ギグエコノミー企業がProposition 22を発案したのは、ドライバーや配達員などのギグワーカーを従業員として扱うと、事業運営に莫大なコストがかかるからだ。この発案は、ギグワーカーを独立した契約者としながらも、経費の支払いや医療費の補助などの福利厚生を提供するという代替案を示していた。
Uberの広報担当者は声明の中で、「この裁定は、カリフォルニア州の有権者の意思を無視しており、論理と法律の両方に反している」と述べた。Uberは上訴する予定だという。
Proposition 22を支持していたフードデリバリー企業DoorDashは、この発案が可決されて以来、同社の従業員はより多くの報酬と新たな手当を得ていると述べた。LyftとInstacartは、この件に関する問い合わせ先として、ギグエコノミー企業を代表する業界団体「Protect App-Based Drivers & Services Coalition」を案内した。同団体は、直ちに上訴すると述べた。
Proposition 22に対するカリフォルニア州司法当局の裁定の行方は、全米規模で影響を及ぼす可能性がある。Uberなどのギグエコノミー企業は現在、マサチューセッツ州で同様の住民投票を進めている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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