タリバンが、これまで米軍が使っていた生体認証デバイスを押収したとの報道が浮上している。これは米国政府や連合軍に協力したアフガニスタン国民の特定につながる可能性があり、米国の支援を受けていたこれまでの政府の崩壊を受け、デバイスに保存されている情報をタリバンが報復に用いる懸念が高まっている。
消息筋がThe Interceptに語ったところによると、押収されたデバイスは「Handheld Interagency Identity Detection Equipment(HIIDE)」と呼ばれるもので、タリバンがアフガニスタンの首都カブールの攻略に向けた兵を進めていた先週に同組織の手に渡ったという。デバイスには虹彩スキャン、指紋、経歴情報などが含まれていると、The Interceptは8月17日付の記事で報じた。記事によると、このデバイスがより大きな集中型データベースへのアクセスに利用される可能性もあるという。
このデバイスは米国の長年にわたる対テロ戦争で重要な役割を果たしてきた。Osama bin Laden容疑者が潜伏していたパキスタンの住居を2011年に急襲した際には、身柄特定にも使われた。一方で、公共ラジオ放送局のNational Public Radio(NPR)が1月に報じたところによると、アフガニスタンの人口の80%にあたる約2500万人の生体認証データの収集に使われる計画があったという。
国際救済委員会(IRC)によると、過去20年間で30万人を超えるアフガニスタン市民が、米国の任務に関係したとのことだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」