筆者が借りた私有プールは、オースティン東部の緑が豊かで大小さまざまな家々が並ぶ住宅地にあった。これは、Swimplyでは「プランジプール」に分類されていた水遊びをしたりくつろいだりするための小さなプールで、8フィート(2.44m)×15フィート(4.57m)、最大水深は6フィート(1.83m)の大きさだった。同じエリアには利用料が1時間100ドル(約1万1000円)以上かかるフルサイズのプールもあったが、このプールは1時間20ドル(約2200円)と安価だった。Weinberger氏によれば、Swimplyが米国で提供しているプールの平均的なレンタル料は1時間当たり40~45ドル(約4400~5000円)だという。
物件をクリックすると、空中から撮影した見栄えのいい画像を含む何枚もの写真を、スワイプで次々に見ることができた。各物件には利用者の評価も付けられるようになっている。筆者が予約したスポットには50件近い評価が付いており、平均スコアは星5つだった。ある利用者は「清潔で、プライベートで、アクセスしやすい」とコメントしており、また別の人は「とにかく望み通りのプールだった」と書いていた。近くにある別のプールにはそれほどよい評価はついておらず、ホストの態度が望ましくないと書いている人もいれば、家の中のトイレの利用が制限されていたことについて「理想的ではないが、許せる範囲」だと書く人もいた。
レンタルしたプールにはアメニティーも用意されていた。Airbnbではヘアドライヤーやテレビ、洗濯機などが利用できる場合があるが、この物件にはプール遊具が付いていた。
このプールを持ち主であるSean AblesさんとBronwyn TowartさんがSwimplyを使ってプールの貸出を始めたのは、2020年の夏のことだ。これまでに訪れたゲストの中には、ピクニックをする人や誕生日パーティを開く人もいれば、水泳の練習をする人もいたという。ラップのミュージックビデオを撮影した人もおり、エキストラとしての出演はしたのかと筆者が尋ねるとAblesさんは笑った。プールを貸し出し始めたことで、テキサスの暑さから逃れようとする、プールを持たない近所の人たちと知り合う機会もできた。
「プールを利用した近所の人の1人がブロック中に触れ回ったらしく、『私たちは1908番地に住んでいるんだ』とか、『1903番地に住んでいる』だとか教えてくれる利用者が増えた」とAblesさんは話す。
Ablesさんによれば、2人はそのプールを、運動した後のクールダウンくらいにしか使っていなかったという。コロナ禍が深刻だった2020年の夏にこのスポットを登録したところ、「馬鹿げた」数の予約が入った。利用した人たちは、家の外で安全に楽しむ機会ができたことに感謝していた。
「彼らは一日中家にいた子どもたちを連れてきて、エネルギーを発散させていた」とTowartさんは話す。
自分自身でもこのプラットフォームでプールをレンタルしているWeinberger氏は、Swimplyでは人のつながりが重要な役割を果たしていると述べている。
「結局、私たちがやっていることはコミュニティーの橋渡しであり、人々はそれぞれの地域で友情を築いている。これは非常に重要なことだ」と同氏は言う。
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