Amazonが、商品の廃棄を削減するための計画を発表した。英国にある同社倉庫の1つで膨大な数の商品が破棄されていると報じられ、批判されていることを受けたもの。同社は現地時間8月4日付のブログ記事で、顧客から返品された商品や余剰在庫を再販し、第2の命を与えることを含む2つのプログラムを導入したことを明らかにした。
1つ目のプログラム「FBA Grade and Resell」は、Amazonで販売を行うサードパーティーの業者が、返送された商品を中古品として仕入れ、その後顧客に販売できるようにするものだ。商品の価格は、その商品の状態に応じて決められる。このプログラムはまず英国で始まり、今後は米国や他の市場にも展開していく。
2つ目のプログラム「FBA Liquidations」は、販売業者がAmazonを利用して、返品された商品や余剰在庫について生じる在庫コストの一部を回収できるようにするものだ。このプログラムは、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインですでに始まっており、8月中に英国でも始まる予定だ。
Amazonが反発を受けたのは、英国メディアのITV Newsによる6月の報道がきっかけだ。この報道は、Amazonが英国内の倉庫の1つで、返送された商品や売れ残りの商品など、毎週10万点以上の商品を破棄している実態を明らかにしたもの。スコットランドのグラスゴー近郊にある倉庫内で撮影された映像には、この施設の「破壊ゾーン」に向かうとされるカートの中に、未開封の電動ドリル、書籍、マスクなどが入っている様子が映し出されていた。
ITVの報道によれば、これらの商品の中にはサードパーティーの販売業者の商品も含まれていたという。拡大を続けるAmazonのマーケットプレイスに商品を出品しているこうした業者は、Amazonに利用料を払って同社のフルフィルメントセンターに商品を保管し、同社の物流サービスを利用して顧客に商品を配送する。しかし、業者は長期間売れ残った商品に関してはAmazonへの利用料の支払いを停止できるため、これがAmazonが不良在庫を破棄する遠因になっていた。ただし、一部には慈善団体に寄付される商品もある。
前段のブログ記事で、Amazon幹部のLibby Johnson McKee氏は、顧客からの返品は「すべての販売業者にとって避けがたい現実だ」と指摘した。その上で、同氏は一連のプログラムについて、「Amazonで販売された商品が、当社と中小企業パートナーのどちらが販売したかに関わらず、有効に利用され、無駄にならないようにする」ために役立つものだと説明した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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