NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は7月19日、エンターテイメント、スポーツ、エンタープライズをはじめとしたライブ配信ニーズのある業界向けに、1秒未満の低遅延ライブ配信を可能とするライブ配信プラットフォームサービス「Smart vLive」の提供を開始したと発表した。
近年、リアルなイベントをオンラインで視聴できるデジタルライブ配信に対する需要が急激に増えている。しかし、一般的なライブ配信は、リアルイベントに比べて、数十秒程度のタイムラグが発生すると同社では説明。オンライン環境におけるリアルイベントとの一体感創出や、ライブ映像を視聴しながらのSNS投稿など、他メディアを連動させたコミュニケーションが難しいという課題があると指摘する。
そこで新たに提供を開始したSmart vLiveでは、同社がWebRTC(Web Real-Time Communications)技術を活用するために開発したプラットフォーム「WebRTC Platform SkyWay」を活用しているという。WebRTCは、PC・スマートフォンのブラウザやネイティブアプリで、サーバーを介さないPeer to Peerのリアルタイム通信(音声・データ)を実現するオープン技術で、高いリアルタイム性により、双方向コミュニケーションでも違和感のないレスポンスを実現できるという。
また、シンプルな操作で利用でき、エンターテインメントやスポーツイベントなどにおいて、さまざまな角度からとらえたマルチアングル映像や音声と、SNSなど他のネットメディアを、リアルタイムに同期させることが可能だという。
同社では、1秒未満の低遅延ライブ配信が可能となる特徴を生かし、(1)低遅延ライブ配信、(2)低遅延マルチアングルライブ配信、(3)低遅延双方向ライブ配信/パブリックビューイングという3つの利用シーンを想定している。
今後は、ライブ配信のさまざまなニーズに応えるため、ライブ配信中の追いかけ再生やライブ映像の録画・再生機能の拡充。さらには、配信設定の自由度を向上するCMSの提供などで、サービスを強化・拡充する方針。5Gをはじめとする低遅延ネットワークや同社の他サービスとも連携し、リアルイベントのDXを実現するトータルソリューションの提供を目指す。
なお、結成20周年を迎えたサンボマスターのライブ「サンボマスター 真 感謝祭 〜ホール&レスポンス〜」のライブ配信基盤(ツアーファイナルでのライブ配信向け)として、「Smart vLive for Music」を提供している。
Smart vLive for Musicは、音楽イベントにおけるより高い一体感を目指し、同サービスの視聴用アプリにSNS連携やマルチアングル視聴などの機能を加え、カスタマイズしたソリューション。同社がイノベーション創出のために実施している取り組みのひとつ、新規事業コンテスト「DigiCom」で発案され、「BI Challenge」にてコロナ禍で大きな制約を受ける音楽ライブ業界を支えるサービスの提供を目指して検討してきたという。
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