EC大手Amazonは偽レビューの問題について、ソーシャルメディア企業にも責任があるとの考えを示した。それらの企業が悪質なユーザーによる偽の商品レビューの売買を許しているために、問題への対処が難しくなっているという。
「自分でソーシャルメディアサービスを利用して偽レビューを売買する者もいれば、そうした行為を代行するサードパーティーのサービスプロバイダーを雇う者もいる」と、Amazonは米国時間6月16日のブログ記事に記し、「いずれにせよ、悪質なユーザーは常にそうした行為や、その実行者と利益を得る者の複数のアカウントのつながりを検出されにくくするため、Amazon以外の場所でその取引を行おうとする」とした。
顧客によるレビューは、20年以上にわたってAmazonの事業の重要な要素となっている。レビューのコメントや5つ星の評価システムは、商品の信頼性や人気、品質を表すものとして、購入者と販売者の双方に役立っている。しかし、対価と引き換えに投稿された高評価のレビューによって、商品の評価が人為的に水増しされ、顧客に誤解を与えていることをAmazonは検知し、2016年に同社サイト上でこれを禁止した。
Amazonはさらに、ソーシャルメディア企業はこの問題を阻止するための取り組みを強化できるはずだと述べた。同社は詐欺行為を各種ソーシャルメディアサイトに定期的に報告しており、対応時間は改善しているという。しかし、同社はソーシャルメディア企業がより積極的にこの問題に取り組み、Amazonが先に通知しなくても、自発的に対応することを求めている。
Amazonによると、同社は2020年1~9月の間に、詐欺行為の疑いがある300を超えるグループを検出してソーシャルメディア企業に報告し、ソーシャルメディア企業は「そうしたグループの削除に平均で45日を要した」。2021年1~3月には、1000を超えるグループをソーシャルメディア企業に報告し、各社は平均5日間でそれらのグループを削除したという。
「ソーシャルメディア企業の対応が以前よりもかなり迅速になったことには感謝しているが、この問題に本格的に対処するには、当社が問題を報告する前に偽レビューを検出して取り締まるための積極的な管理体制に向けて、ソーシャルメディア企業が適切に投資することが不可欠だ」とAmazonは述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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