神戸市と渋谷区、官民連携スタートアップ支援「NOROSI Startup HUB」始動--きっかけはCNET Japanでのイベント共演

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 神戸市と渋谷区は7月6日、スタートアップ支援に関する連携協定を締結し、その第1弾のプロジェクトとして「NOROSHI Startup HUB(ノロシ・スタートアップ・ハブ)」の始動を発表した。自治体同士に加え、運営に民間企業が参画する、官民連携プロジェクトとしては全国初の取り組み。社会課題を解決するアイデアとスキルを持つ人材を広く募集し、人材交流や実証実験フィールドの提供などを通じて新規産業の創出を支援する。

会見は神戸市役所で行われ神戸市長の久元喜造氏とリモートで渋谷区長の長谷部健氏が登壇した
会見は神戸市役所で行われ神戸市長の久元喜造氏とリモートで渋谷区長の長谷部健氏が登壇した
「NOROSHI Startup HUB(ノロシ・スタートアップ・ハブ)」
「NOROSHI Startup HUB(ノロシ・スタートアップ・ハブ)」

 スタートアップ支援に力を入れる自治体が全国で増えるなか、神戸市はシリコンバレーの500 Startupsとのアクセラレーションプログラムの実施や、自治体の課題解決に民間企業をマッチングする「Urban Innovation KOBE(アーバンイノベーション神戸)」などの取り組みで注目を集めている。渋谷区も2020年1月からスタートアップ支援事業を立ち上げ、官民連携オープンイノベーション企画「Innovation for New Normal from Shibuya」などを展開し、もとより全国トップのスタートアップ集積地として知られている。

 内閣府が選ぶ「グローバル拠点都市」という共通点を持つ両市区が、スタートアップをさらに呼び込み、地域経済の高度化をはかるために選んだのが「スタートアップ支援に関する連携協定の締結」だった。街としての個性やロケーションにおいて互いが持ちえない部分を補完し、異なる特徴とシナジーを掛け合わせることで、スタートアップ・エコシステムにおける相乗効果を生み出すことを狙う。

 連携のきっかけとなったのが、当時、神戸市の副市長だった寺崎秀俊氏と渋谷区 副区長の澤田伸氏が登壇したカンファレンス「CNET Japan Live 2020」のパネルディスカッションだという。また、渋谷区初の副業人材募集で採用され、ベンチャー支援事業を担当する渋谷区産業振興課の田坂克郎氏がサンフランシスコ在住時に、市を訪問した久元市長と面識があったことや職員同士が以前からつながりを持っていたことからも話が進んだ。

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「CNET Japan Live 2020」における、神戸市の副市長(当時)である寺崎秀俊氏(左)と渋谷区 副区長の澤田伸氏(右)によるパネルディスカッション

 具体的な連携項目としては、(1)起業家育成・支援、(2)起業家・エンジニア・クリエイティブ人材などの交流、(3)スタートアップ事業の実証実験の支援、(4)支援する起業家およびスタートアップのPR、(5)女性起業家支援、の5つを挙げている。実験都市「神戸」と起業家が集う「渋谷区」がつながることで、東西で新しい働き方を求めるスタートアップ人材が地域の壁を越えて相互に交流し、幅広いアイデアを起業に結びつける環境づくりを目指す。

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 協定締結後の最初の取り組みとして、“新しい働き方”と“ライトな起業文化”を生み出し、定着させる全国初の官民連携プロジェクト「NOROSHI Startup HUB」を発表当日よりスタートする。対象は個人を含むスタートアップ、企業の新規事業開発部門、大学などの研究機関などに加え、起業や新事業のアイデアを持つ提案者「チャレンジャー」とスキル面で支援する「チームメンバー」としているのが特徴だ。

 参加条件は神戸市か渋谷区に在住、在勤、在学、もしくは審査通過の際に両市区での実証などに参加できることで、ジャンルを問わず新しいテクノロジー、ソリューションを募集する。

 コミュニティに参加する「人」「企業」「自治体」が、社会課題の解決や新たな価値創造を共通目的とするチームを作り、「LIGHT STARTUP」「REMOTE TEAM UP」「PROCESS VALUE」「TRIVEN SHARE」の4つのルールに沿って互いのリソースを提供しあい、フラットな関係を通じてプロジェクトに取り組む。

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 参加者は両市区のネットワークやパートナーとの協業支援や実証実験フィールド、VCや投資家によるメンタリングや協賛企業からの資金支援など、さまざまなリソースが得られる可能性がある。他にも神戸市の起業支援施設アンカー神戸や渋谷スクランブルスクエアが運営するインキュベーション拠点「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」をリアルな活動拠点とし、プレスリリース支援なども行う。

 プロジェクトの運営は新しい働き方を支援するコミュニティ「triven(トリブン)」を運営するスタートアップのアドリブワークスが主催し、神戸市と渋谷区が共催する。同社が開発するコミュニケーション促進ツールを活用し、全国のコワーキングスペースをサブスクで利用できるサービス「trivenPASS(トリブン・パス)」を提供するなど、本プロジェクトそのものが1つのスタートアップ支援になっている。

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 アドリブワークス代表取締役の山岡健人氏は「コロナ禍でどこにいても誰もが自由に”コトを興せる”チャンスがある今こそが改革のチャンスであり、アフターコロナの新しい生活様式にあった働き方を提案し、新たな人とつながる関係人口の創出にもつなげたい」とプロジェクトにかける意気込みを語った。

アドリブワークス代表取締役の山岡健人氏
アドリブワークス代表取締役の山岡健人氏

 神戸市長の久元喜造氏は「これまでにさまざまな形のスタートアップ支援を行い、神戸に集まる人たちも増えているが、渋谷区との連携による新たな育成の形は、大都市ができる支援の方向性として有力だと考えており、いろいろな意味で目に見える成果が生まれることに期待している」とコメント。渋谷区長の長谷部健氏は「以前から神戸市のスタートアップ事業を参考にしてきた。行政が本気を出して新しい働き方を応援する取り組みに注目し、一緒に背中を押してほしい」と述べた。

渋谷区長の長谷部健氏
渋谷区長の長谷部健氏

 プロジェクトの募集は特設ページから行い、書類審査を通過したアイデアを8月に予定しているキックオフイベントで発表する。そこからプロジェクトの作成とチームビルディングを行い、進捗に応じて設定されたステージを経て、約半年後の2022年2月に成果を発表するデモデイの開催を予定している。

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