Appleの「App Store」エコシステムでの請求や販売を通じて2020年に生み出された金額は6430億ドル(約70兆4800億円)に達した。これは前年比24%増で、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによるところが大きいという。サードパーティーの調査会社Analysis Groupによる調査の結果を、Appleが米国時間6月2日に発表した。
売り上げの変化についてみると、コロナ禍の間、アプリのカテゴリーによって明暗は分かれている。デジタル商品およびサービス部門は41%大幅に増加したのに対し、旅行および配車サービスの分野は売り上げが30%以上減となった。こうした傾向について、一部はパンデミック前のレベルに徐々に戻るだろうが、このままの状況が続く分野もあると、調査チームはメディアへの説明会の中で述べた。オンラインへの慣れが進んでいる活動として、具体的にはショッピング、ストリーミング、食事の注文などが挙げられる。
また、App Storeの開発者のうち、90%以上が「小規模」に分類されている。通年でアプリのダウンロード数が100万件未満で、なおかつ利益が100万ドルに満たない開発者がこのカテゴリーに入る。そして調査チームによると、2015年時点で小規模開発者に分類されていた開発者の収益は、過去5年間に2.8倍に増加したという。
この調査結果は、App Storeの運用についてAppleが厳しい批判にさらされる中で発表された。現在、米国、英国、欧州連合(EU)で反トラスト法違反の疑いで調査が行われているほか、継続中のEpic Gamesとの訴訟についても、今後数週間のうちに判断が示されるとみられる。
Appleによると、2008年にサービスを開始したApp Storeは、今や180万本のアプリを擁しており、175の国と地域から1週間あたり5億人以上がこのストアを訪れているという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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