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仕事と育児の両立--オランダで始めた「パパの日・週3日勤務」で気づいた大切なこと

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 読者のみなさん、仕事と育児の両立ってどうされてますか……?

 わが家には4歳と2歳の子どもがいます。まだ保育園にも行っていない小さいお子さんがいたりすると、特にいまはコロナ禍で「リモートワーク=在宅勤務」が推奨されているので、ドア1枚をへだてて子どもや家族がいたりしてなかなか仕事がはかどらない……。そんな難しさを感じている人もいるのではないでしょうか。

写真:三浦咲恵(Sakie Miura Photography)
写真:三浦咲恵(Sakie Miura Photography)

 そうした状況はそっくりそのまま、僕自身にもあてはまります。PCとスマホとインターネットさえあれば、どこでも働けて、オフィスに行く必要もない。かといって、僕が住むオランダではいま、カフェも閉まっていて、自宅以外に働く場所の選択肢がありません。ビデオ会議をしていると、「パパなにやってるの〜?」「一緒に遊ぼうよ〜」と子どもたちがやってくる。こうなると、働き方を変えざるを得ないですよね……。

 みなさんのお悩みを解決できるかどうか分かりませんが、ここ数年、僕なりに仕事と育児をどう両立させてきたか、その中で自分が住むオランダの文化に影響を受けて始めた「パパの日」「週3日勤務」といった工夫、また、仕事ができる時間が減る中で収入はどうなっていたのか、その過程で得た気づきをシェアできたらと思います。

オランダの文化「パパの日」の衝撃

 6年前にオランダに移住して、一番最初に受けたカルチャーショックは、ある平日の午前中、家の近所のカフェを訪れたときのことでした。僕はそこで仕事をしようと思ったんですが、他のお客さんで、パパ2人とそれぞれの娘2人、合わせて4人でお茶をしている席があったんですね。

 いま考えるとゾッとしますが、当時はまだ日本人感覚的に、父親だけで小さい子どもの面倒を見る、しかもそれを平日の午前中にカフェで……ということにとても大きな違和感を覚えて、「このパパたちは仕事はどうしているんだろう」「ママはなにをやっているんだろう」と疑問に感じてしまったことを覚えています。

育児に奮闘するパパたちを描いたオランダのドラマ『Daddy’s Day』のワンシーン(出典:Dutch CORE)
育児に奮闘するパパたちを描いたオランダのドラマ「Daddy’s Day」のワンシーン(出典:Dutch CORE)

 しかし、このときの経験が数年後、僕に子どもができたときに効いてきます。後日、オランダ人の知人夫婦に聞いた話では、オランダには「パパの日」という文化があるようで、これは週に一度、平日であっても仕事はせず、育児に専念をするというもの。その日はママは仕事をする。つまり、オランダではパパもママも「週4日勤務」がスタンダードなんだそうです。

 週4日勤務ということは、フルタイムではなくパートタイム。「パートタイム」と聞くと、日本ではアルバイトのようなイメージがありますが、オランダでは働く時間が短いだけで、フルタイムで働く人と待遇にそれほど差はなく、任される責任の大きさや裁量も変わらないのだそう。「ワークシェアリング」とも言われますが、当時の僕にとってこの働き方はとても新鮮でした。

「週3日勤務」でパパが働く時間を減らす

 それから約2年後に娘が生まれ、そして4年後に息子が生まれました。子どもがまだ1人だったころは、週に3日、保育園に預けて、僕は週5日働き、奥さんは週3日働いていました。だけど、2人目が生まれると分かって、「これではさすがに子育てがまわらない」と気づいたとき、僕もこれまでの週5日勤務の働き方を変える必要が出てきました。

 もし、僕が日本にいたら、僕は引き続き週5日働き、2人目がまだ小さいうちは、奥さんは一旦仕事を止めて専業主婦になるという選択肢も思い浮かんでいたのかもしれません。しかし、ここで先程のエピソードです。平日に娘を連れてお茶を楽しむパパの日の光景を目にしたおかげで、「パパが働く時間を減らす」という選択肢が、自然にそして前向きなものとして僕の中に現れました。

 決め手となったのは奥さんへの罪悪感だったと思います。子どもがまだ1人だったころ、僕は週5日働けて、奥さんは週3日しか働いていない。僕は自分の「やりたい仕事」をやれて、一方の奥さんは、たしかに子育てはとてもやりがいのあることだけれど、それ以上に「やらないといけないこと」でもある。これ以上、僕ばかりやりたいことをやらせてもらっていいわけがないと思いました。

 そこで僕は、オランダ人のパパの日を見習って、思いきって週3日勤務にすることにしました。月・水・金だけ働いて、火・木は2人の育児に専念する。土日ももちろん仕事はしない。そんな生活リズムに変わりました。

写真:三浦咲恵(Sakie Miura Photography)
写真:三浦咲恵(Sakie Miura Photography)

自分の「好き・得意」に集中し、人に頼る

 しかし、真っ先に思い浮かんだのは、週5日勤務から週3日勤務にして、「いままでやっていた仕事はまわるだろうか」ということでした。ただ、「まわらないと分かったら止めよう」という逆戻りの選択肢はなく、「どうやってまわそうか」とばかり考えていました。

 そこで、僕に起きた一番大きな変化は、いくつかの仕事を「止める」ということでした。育児にかぎらず、なにか新しいことを始めるなら、それまでやっていたなにかを止めなければならない。具体的には、それまで僕はライターとしても仕事をしていましたが、その本業である「記事を書くこと」を止めたんです。

 1つの記事を書くのには、途切れることのないまとまった時間が必要です。しかも、週5日勤務のときと同じだけの量の原稿をこなそうとするなら、週3日勤務では絶対に無理。

 そこで、僕は「記事を書く」とは何をすることなのかと、仕事を細かく分けてみることにしました。記事を書くとは、書きたいテーマを見つけ、それを書ける場所を作り、必要なリサーチをし、企画に落とし込んで、インタビューをしたり、執筆したりして、編集や構成を加えること。

 このうち、「本当に僕が好きな仕事はどれだろう」「僕が他の人よりうまくできる仕事はどれだろう」と考え、その他の仕事は、世界各国のライターさんにお願いすることにしました。

 結果、僕の手元に残ったのは、「書きたいテーマを見つける」「それを書ける場所を作る」、つまり企画と営業活動と言ってもいいかもしれませんが、この2つだけでした。ですから、作業のボリューム的には、それまでの20%くらいしか自分の手元には残りませんでした。

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