logo
スマートフォンネイティブが見ている世界

週に一度の対面授業を楽しみにする大学生たち--オンライン授業の内容に変化も

  • 一覧
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 コロナ禍は続き、執筆現在、東京都など9都道府県で緊急事態宣言が続いている。小中高校の多くは対面授業が続けられているが、2020年に完全にオンライン授業になっていた大学は今、どうなっているのだろうか。コロナ禍の大学の今について見ていきたい。

週に1度しかない対面授業を心待ちにしている学生たち

 筆者が調べた限りでは、都内の多くの大学ではオンライン授業が中心となっている。しかし、昨年大学だけをすべてオンライン授業にしたところ、多くの学生から不満が続出。「大学に行ったこともないし同級生の顔も知らない。せっかく合格したのに」「なぜ大学生だけが大学に行けないのか」という声は多く聞いた。実験・実習・演習など、オンラインでは十分ではないものも多く、「十分に学べているか不安」という声もあった。

 今年は昨年の学びから、多くの大学が対面授業をゼロとはしないこととしているようだ。筆者が講義を担当している大学でも、緊急事態宣言下においても、1、2年生は週に1度くらいは演習などを中心に対面授業が受けられるようにしている。まだ学内に友人が作れていない1〜2年生などには、大学に行って同級生などとつながりたい欲求が強いためだ。

 週に1度しかない対面授業を心待ちにしている学生はとても多い。感染者数が急増した時には全面的にオンライン授業となり、「せっかく友だちができたのに、週に1度も行けないなんて。大学にいる意味はあるのか」と言っている学生がいた。筆者の講義はまだずっとオンラインのみだが、「対面講義がやりたい」という学生はとても多い。

 2年生などでも「まだ一度も大学に行けていない」という学生もおり、すべてが行けているというわけではないようだ。3〜4年生などは「就活やバイトで忙しいし、感染のリスクもないからオンラインでいい」という学生がいる一方で、「ずっとパソコンだけに向かっていると、時々自分が本当に大学生なのかわからなくなる。ずっと大学に行けていない。行きたい」という学生もいる。

 学食は開いているが、「1人で黙食を」と言われている。サークル活動などは完全に制限されているわけではないが、オンラインの部分も多く、感染者が出たり緊急事態宣言になると活動停止など制限を受ける。大学のイベントも多くは中止、またはオンラインとなっている。

 今後対面講義が中心となっても、オンライン受講を希望する人はオンラインで受けられるようにするハイブリット型が主流となっているようだ。

改善された大学のオンライン講義

 昨年は基本的に大学構内に入れないことが多かったようだが、今年は用があって入ることは制限されていない。たとえば、オンライン講義を受けるためのWi-Fi環境が整っていない学生は、開放されている教室で受講することができる。ただし、他の学生も受講しており、声を出せないため、ブレイクアウトセッションなどを行うときは移動しなければならないと聞いている。

 またオンライン講義でも、昨年は資料が配布されるだけで講義自体がほぼ行われなかったり、オンデマンド式のみで教員とのコミュニケーションが不足することも多かったという。そこで今年はZoomでのリアルタイム講義が基本となっており、学生はチャットで質問したり、メールを送ったりしてコミュニケーションをとれるようになっている。

 「オンライン講義は受けるのは楽。移動も要らないし、着替えなくてもいい。でも集中力が続かないし、講義が続くと疲れてしまう」とある学生はいう。教員側もオンライン講義は対面よりも準備が大変であり、飽きさせずに聞かせるなどの部分で工夫が必要となり、苦労している人は多い。特にオンライン講義に慣れない教員の場合は、単に教科書を読むだけとか、課題が多すぎるといったこともあるようだ。

情報交換の要はやはり「Twitter」

 多少改善はされたとはいえ、大学は今年もオンライン授業が中心だ。そこで、学生同士の情報交換の要はやはりTwitterとなってくる。多くの学生は「大学垢」を作り、ハッシュタグ「#春から○○大」で同級生とつながっていく。

 4月前半に多く見られたのが、自分の時間割公開だ。時間割一覧を貼り付けた上で、「同じ講義をとっている人がいたらつながりましょう」という投稿は非常に多く見かけた。多くの人が同様の経験があるだろうが、「提出物について聞きたい」「テストのことを聞きたい」など、ちょっと質問したいというニーズは多く、Twitter上で頻繁なやり取りが見られた。

 ある学生から、「友だちとオンラインで同じ講義をとっていて、情報交換したり『行けるようになったら大学の近くのお店に行こうね』と約束している」という話を聞いた。オンラインながら楽しみを見出して、学生生活を過ごしているようだ。

 コロナ禍で学生生活を制限され、苦労している学生たちは少なくない。少しでも早くいろいろな制限が解除され、自由な大学生活を送れることを願っている。

高橋暁子

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。執筆・講演・メディア出演・監修などを手掛ける。教育出版中学国語教科書にコラム 掲載中。元小学校教員。

公式サイト:https://www.akiakatsuki.com/

Twitter:@akiakatsuki

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]