新型コロナウイルスの世界的流行による経済変動を受けて、多くの企業が合併・買収(M&A)に関して厳しい決断を迫られていることが、Gartnerの新しいレポートで明らかになった。同社の予測によると、2022年には世界全体で、テクノロジー企業のM&Aが2018年のピーク時より多くなるという。
2021年に米国経済が安定するに伴って、テクノロジー分野でのM&Aが増えていると、Gartnerの研究チームは最新レポート「Tech CEO: Acquisition Strategies During COVID-19 and Implications for Providers」で述べている。
Gartnerでシニアリサーチディレクターを務めるMax Azaham氏は、買収を検討しているテクノロジー企業の最高経営責任者(CEO)について、「買収先をめぐる競争が激しくなることを想定し、他社より優位に立つための措置を講じて、買収先に受け入れてもらえるようにすべきだ」と指摘した。
この調査レポートに掲載されているグラフを見ると、2020年第2四半期にはパンデミックが買収活動に深刻な影響を及ぼしたことが分かる。しかし、第4四半期になると、通信事業者、サービスプロバイダー、ソフトウェア企業の買収にけん引されて買収が再び増加し、2018年以来の水準を回復した。
また、プライベート・エクイティ(未公開株投資)企業を中心とした金融サービス企業がテクノロジー企業の買収を検討する例が増えており、2020年にはこうした買収の半数以上がソフトウェア企業で占められたと、Gartnerは報告している。中でも、2018年~2019年の平均と比べると、2020年下半期には通信事業者の買収が93%増えたほか、2020年第4四半期にはサービスプロバイダーの買収が30%増加した。
2020年下半期には、一部の事業が重複していたサービスやソフトウェアのプロバイダーの統合も進み、2018年および2019年の平均と比べてそれぞれ65%および40%増加している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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