Facebookは米国時間5月14日、人工知能(AI)システムに無関係な情報を忘れさせることで、タスクをより迅速かつ効率的に実行できるようにする研究の成果を明らかにした。
Facebookは、ヘイトスピーチや生々しい暴力といった有害コンテンツの検知にAIを活用し、ニュースフィードのコンテンツをランク付けしたり、他のタスクを実行したりしている。
同社の研究者らは公式ブログで、大量の無関係な情報を忘れる方法をAIに教える「Expire-Span」という新たな手法を開発したと述べた。Expire-Spanでは、まず最も関連性の高い情報を予測し、それに基づいて各情報に有効期限を設定する。コンピューターの記憶領域を解放することで、タスクを完了するために必要な詳細情報に集中できるようになるという。
「例えば、単語の予測タスクを実行するトレーニングをモデルが行う場合、名前のような珍しい単語は覚えておくが、『the』や『of』のように頻出するつなぎの言葉は忘れるようAIに教えることができる」
Facebookは、Expire-Spanにより、人間が行うのと同じようにコンピューターに記憶を保持させることに一歩近づいたとしている。人間の脳は、個々の詳細な情報をすべて保存するのではなく、重要な情報を自然に選んで保存している。
「Expire-Spanの目覚ましい拡張性と効率性は、いつの日か人間のように複雑なAIの能力を幅広く実現する、エキサイティングな将来性を感じさせるものであり、そうした能力は他の方法では不可能なものだ」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」