Teslaが2021年中に完全自動運転車を実現できるかは不透明だと、同社のエンジニアがカリフォルニア州の規制当局に対して認めた。Teslaの最高経営責任者(CEO)を務めるElon Musk氏は1月、決算発表の電話会見で、2021年中に完全自動運転を実現することに「大きな自信を持っている」と述べていたが、これとは異なる見通しが示されたことになる。
この見解は、カリフォルニア州の車両管理局(DMV)とTeslaが3月に行った会議の議事メモに記載されている。このメモは、法的透明性を支持する団体PlainSiteが法律に基づいてDMVに開示要請し、米国時間5月6日に入手して公開したもの。これによると、「Autopilot」ソフトウェア担当ディレクターCJ Moore氏は、「Elon(Musk氏)がレベル5の機能について話すときは改善のペースを推定していると述べた」とされ、「この改善のペースで年末までにレベル5を達成できるかどうか明言できなかった」という。
レベル5の機能とは、米自動車技術者協会(SAE)が定める自動運転技術の基準における完全自動運転を指す。Autopilotや「Full Self-Driving」ベータ版など、Teslaが現在採用している機能はいずれも自動運転ではなく、レベル2の運転支援機能に当たる。文書にはさらに、Teslaが依然として「間違いなく」レベル2の技術に留まっていると述べたことも記されていた。
Teslaにはコメントの依頼に応じる広報部門がなく、カリフォルニア州のDMVもこれまでコメントの依頼に応じていない。
Teslaは本当の意味での自動運転車の実現に向けて、独自の方針を継続する。車が「見る」ことを助ける「LiDAR」技術に他社が注力する一方で、Teslaはニューラルネットワークとセンサーやレーダー、カメラを組み合わせて、自律運転するスマートカーを生み出そうとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」