得意なことを無償で“お裾分け”しあえるプラットフォーム「giv」--自治体も活用

 ⼀般社団法⼈givは4月30日、⾃分の好きなことや得意なことを無償で贈り合えるプラットフォーム「giv(ギブ)」のシステムを5月からオープンソース化することを発表。同時にモバイルアプリ(iOS/Android)をリリースすることを発表した。

 givは、お⾦を介さずに好きなことや得意なことを誰かへ贈り、受け取った人がまた違う誰かに贈れる、田舎での“お裾分け”を仕組み化したようなプラットフォーム。たとえば、農家からお米をもらった美容師が、また別の誰かに無料でヘアカットをしてあげるといった具合だ。

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 もともと、代表の西山直隆氏が2019年2月ごろからFacebookのグループでクローズドにこの取り組みを開始したところ「当初はみんな半信半疑だったが、20人くらいでやってみたら(価値を贈り合う)すごくいい効果が得られた」ことから、毎月20人ほどのペースで増員し、登録者数は2020年に100⼈を超えた。現在は160名まで増えており、5月末には200名に達する予定。

 信頼をベースに成り立つコミュニティを時間をかけて育てているため、まだオープンに登録は呼びかけていないという。招待とウェイティングリストでの承認によって、少しずつユーザーを増やしているそうだが、2021年にはこの招待枠を1000⼈まで広げる予定だ。

giv代表の西山直隆氏
giv代表理事の西山直隆氏

 気になるマネタイズについては、現時点では考えていないという。西山氏はgivの代表を務める一方で、テクノロジー分野における日本とインドの連携プラットフォームTech Japan事業も展開して収益をあげていることから、givは引き続き無償で提供することで、“感謝でつながる社会”の実現を目指すとしている。ただし、Wikipediaのように寄付モデルなどは検討しているという。

 givの仕組みに自治体なども注目し始めた。4月14日には、大阪府堺市との連携を発表。泉北ニュータウン地域の住民30人程度を対象に、住民間の交流や新たなコミュニティ作りを促進するための実証プロジェクトを6〜9月に実施する予定。

 また、同じく4月には、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授の監修のもと、givを通して人々のWell-Beingに関する指数を計測していくことを発表。givのウェブサイトで、20程度の質問に回答することで測定結果を可視化できるようにする取り組みを、6月から提供するという。

 そして今回、新たにgivをオープンソース化したことも発表された。エンジニアやデザイナーは誰もがgivのソースコードの閲覧・改善や機能追加などが可能になる。また、スキルを提供したエンジニアやデザイナーも、givを通して、さまざまな価値を受けられるという。「これまで以上にみんなで作っていくサービスにしていきたい」(西山氏)

givのモバイルアプリ版
givのモバイルアプリ版

 また新たに提供を開始するモバイルアプリでは、ユーザーがこれまでに贈ったギブの記録がプロフィールページに蓄積される機能を追加。これにより、⾃⾝のギブが実際に⼈や社会にどのように役に立ったかが分かる写真やメッセージが、⾃⾝のプロフィール上に表現されるようになるという。

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