AirTagの設定は簡単だ。保護フィルムと一体になった絶縁シートを引き抜き、iPhoneに近づけて「接続」をタップする。「AirPods」をペアリングするときと同様だ。iPhoneを「iOS 14.5」にアップデートし、「iCloud」アカウントにサインインして、iPhone上でロックコードを確認する必要はあった。だが、その手間まで考えても、手順はごく単純だった。
次に、名称を設定するよう求められる。例えば、筆者はAirTagをキーホルダーに付けたので、「Keys」という名前を付けてみた。月並みなのはご愛敬。
AirTagと自分の「Apple ID」との紐付けが完了すると、「探す」アプリケーションを使って「持ち物を探す」タブで操作できるようになる。持ち物を探すときは、取り付けたAirTagにpingを送って音を鳴らせる。AirTagは、表面をサウンドアクチュエーターにして音を鳴らすので、小さいスピーカーグリルのようなものは全くない。
iPhoneで「探す」アプリを開いていない場合でも、例えば「Hey Siri, where are my keys?(ヘイSiri、鍵はどこ)」と言えば、AirTagが応えてチャイム音を鳴らしてくれる。
だが、精度はその程度にとどまらない。「iPhone 11」か「iPhone 12」をお使いなら、「正確な場所を見つける」機能を利用してAirTagを探すことができる。AirTagは、iPhone 11やiPhone 12と同様、超広帯域通信に対応する「U1」チップを採用しており、正確な距離と方向を判断してユーザーをその場所まで誘導できるからだ。iPhone上でクールなインターフェースが開き、持ち物とAirTagまで案内してくれる。iPhoneのカメラ、「ARKit」ソフトウェア、加速度センサー、ジャイロスコープを利用し、AirTagから届くデータと組み合わせて視覚的なガイドを生成したうえで、触覚と音も利用して失くし物の位置までユーザーを導くという仕組みだ。「正確な場所を見つける」は、AirTagのBluetoothの範囲内で機能する。
AirTagの現在地がかなり離れている場合には、紛失モードに設定して、電話番号を入力できるようになる。AirTagを見つけた人が、NFC対応のスマートフォン(iOSでも「Android」でも)でそのAirTagにタッチすると、持ち主が電話番号を提供していた場合は、連絡を取る方法が記載されたウェブサイトに移動する。
AirTagがどこにあるかは、ユーザー自身にしか分からないようになっている。位置データや履歴は一切、AirTag自体には保存されないからだ。AirTagが、「探す」ネットワーク上の他のデバイス、例えばiPhoneと接触した場合、位置情報は暗号化されたうえ匿名で転送される。
自分のAirTagの位置や、検索に使われた「探す」ネットワーク対応デバイスを特定することは、Appleも含めて誰にもできない。Bluetooth信号は頻繁に入れ替わるので、他人が悪用して追跡することもできなくなっている。
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