今のスマートフォンに搭載されているカメラは、とても高性能、高機能になった。そのため、写真やビデオの撮影に専用のスチルカメラやビデオカメラを使う人は、以前に比べ激減した。最近のスマートフォンは防水性も高いので、水辺でも心配なく使用でき、その点でも使いやすい。
ただし、操作のほとんどをタッチパネルで済ますスマートフォンは、水に濡れるとタッチパネルが反応しにくくなり、うまく使えないことがある。そのような場合は、操作に必要なボタンを大きくしたり、数を減らしたりして対応すると、使いやすくなる。また、水辺や水中とそれ以外の環境では、撮影モードを切り替えてそれぞれの環境に適した機能だけを選べるようにしたい。
これに対しAppleは、スマートフォンが水に濡れている状況かどうか認識し、状況に応じて動作を切り替える技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間4月13日に「MODIFYING FUNCTIONALITY OF AN ELECTRONIC DEVICE DURING A MOISTURE EXPOSURE EVENT」(特許番号「US 10,976,278 B2」)として登録された。出願日は2018年8月3日、公開日は2019年2月28日(公開特許番号「US 2019/0064998 A1」)。
この特許は、何らかのタッチ操作対応モバイルデバイスにおいて、センサーで認識した周囲の環境に適した動作モードへ切り替える技術を説明したもの。デバイスの種類としては、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなどを想定している。
周囲の環境は、圧力や水分を検知するセンサーからの情報で認識する。たとえば、大気圧程度の値だった圧力が急に高まれば、水中に入ったと考えられる。また、水分量の変化から、水しぶきがかかる程度の場所なのか、水中なのかなどが判断できる。
環境が変化したと認識した場合は、デバイスの動作を環境に合わせて変えたり、ユーザーインターフェース(UI)を変更したりする。静電容量式タッチパネルが使いにくい水辺や水中では、感圧式に切り替えると問題なく操作できる。スマートフォンを水中カメラとして使う状況なら、水中では必要ない機能の操作用ボタンを表示しない、といった対応も可能だ。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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