中国の電子機器メーカーTCLは、巻き取り式と折りたたみ式を組み合わせたデバイスの可能性を探り続けている。同社は米国時間4月14日に開催したオンラインイベントで、新しいスマートフォンシリーズ「TCL 20」について説明した後、スマートフォンの未来像を示す新コンセプトを発表した。この新しいコンセプトデバイスは折りたたみ式と巻き取り式の両方の要素を兼ね備えたスマートフォンだが、そのレンダリング画像を見ると、要素をつぎはぎしたものではなく、はるかにスマートに融合されたものになっている。
米CNETが3月に報じていたこの新しいデバイスを、TCLは「FOLD'n ROLL」(折りたためて巻き取れる)コンセプトと呼んでいる。完全に折りたたんだ状態では6.87インチのスマートフォンだが、折りたたみ部分を展開すると8.85インチのファブレットに、巻き取られている部分も広げると10インチのタブレットになる。TCLでグローバルマーケティング担当ゼネラルマネージャーを務めるStefan Streit氏は、14日の発表前に米CNETのビデオ通話による取材に応じ、プラスチックで作られたモックアップの画像を披露した。
同氏によると、今度の新しいデバイスは、2020年に披露した「3つ折り」式の分厚いコンセプトデバイスとは異なり、「やや厚め」ではあるものの、「標準的なスマートフォンと同じサイズ」になるという。
このデバイスが製品化され、人々が実際に購入できるようになる時期は明かされていないが、TCLの研究所には、実際に動作するプロトタイプ版がある。Streit氏は「外側にかなりの面積のディスプレイが露出することになる」として、現在、製品テストの中でディスプレイの保護に重点的に取り組んでいると明かした。
TCLは2021年中に同社初の折りたたみ式デバイスをリリースする計画だ。Streit氏は具体的なフォームファクターや価格については明らかにしなかったが、過去1年に発売された他の折りたたみ式デバイスよりも安価になることを示唆した。
「われわれにとって、2500ドル(約27万円)あるいは1500ドル(約16万円)であっても、この製品にそうした価格を付けることは意味をなさない」と同氏は語った。スマートフォン業界の新参者として、同社には「ブランドの強み」がないという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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