スマートフォンネイティブが見ている世界

女子高生がインスタで複数アカウントを持つ理由--投稿を「見せる相手」の制限も

 若者世代のInstagramの使い方は、大人世代とは異なっているようだ。高校1〜3年生を対象としたLINEリサーチの調査(2020年11月)によると、全体の78%がInstagramアカウントを所持している。女子高校生は8割強、男子高校生は7割と、女子高校生のほうが所持している割合が高い。

 Instagramは、公式アプリで複数アカウントを使い分けられるようになっている。複数のInstagramアカウントを所持している割合は、高校生全体では5割弱、女子高校生では6割、男子高校生では3割強と、やはり女子高校生のほうが複数所持する割合が高くなっている。なぜ、Instagramで複数アカウントを所持し、どのように使っているのだろうか。若者のInstagram利用実態までを見ていきたい。

複垢には利便性も、誤爆リスクも

 先程の調査によると、Instagramで複数のアカウントを所持する理由は、「趣味によって分けたいから」がトップに。2位は「つながっている人を分けたいから(中学校の友達/部活関係など)」だった。「プライベートな写真や個人的な写真を分けたいから」も上位であり、アルバム代わりの記録用としても使われていることもわかる。

 「学校の友達とつながる本垢、趣味用の趣味垢と、親しい友達とつながるサブ垢、鍵をかけた記録用の裏垢がある」とある女子高生は言う。「投稿が混じらず見たいものだけ見られるから便利。芸能人のストーリーズと友達のストーリーズとかが混じるのが嫌」。

 これには、別の良い点もある。「ストーリーズが多すぎるとみんなもうるさいと思うし、関係ないものが出てきても困るだけだと思う。見たいものだけ見たいんじゃないかな」。Twitterでも同様だったが、「高校の友達が中学時代の友達や趣味関連の投稿を見せられても困ると思う」というわけだ。使い分けることでフォローや投稿の傾向が精選されるため、「おすすめに好みの投稿が表示されやすくなる」のもメリットと感じているようだ。

 さらにアカウントを分けることには、他にも見逃しがなくなるとか、気軽に発信しやすくなるなどのメリットもあるという。一方、「アカウントを切り替えるのが面倒くさいし、趣味垢に投稿するつもりだったことを本垢で投稿してしまったことがある」と、誤爆しやすいなどのデメリットにもつながっている。

見せる相手に気を使う若者世代

 若者世代は、ストーリーズの利用がとても多いが、使い方はどうなっているのだろうか。Z世代総合研究所の「Z総研トレンド通信Vol.8『Instagram前編』」(2021年2月)を見てみよう。「ストーリーズをミュートしている人はいるか」という質問に対して、「はい」は41.9%と、実に4割がミュートしている人がいる。

 たとえば、本垢は学校の友達などとつながるので、親しくなくてもフォローせざるを得ないこともある。しかし、そのような時にあまり親しくない人のストーリーズはミュートすることで、ストレスを感じずに済むというわけだ。なお、ミュートしたことは相手にはバレないようになっている。

 また同調査の「ストーリーズを見せないようにしている人を設定したり、親しい友達機能を使って特定の人にのみ見せるよう設定していますか」という質問に対しては、なんと81.6%と8割以上が見せる相手を設定していることがわかった。

 ストーリーズでは「ストーリーズを表示しない人」に設定することによって、ブロックせずに相手にストーリーズが表示されないよう制限ができる。そのほか「親しい友達」機能によって、リストに入れた親しい友達限定で公開することも可能だ。友達と言っても付き合いには濃淡があり、見せたい相手も限られるのだ。

 Instagramでは一般的に「インスタ映え」写真が求められることが多いが、24時間で消えるストーリーズなら映えないことも気軽に投稿できるため、そもそも投稿しやすくなっている。若者たちはアカウントを使い分けた上で、つながっている相手の中でも投稿を表示させる相手を選ぶという気の使い方をしているというわけだ。

 「自分もストレスを感じるし、相手の目も気になるからかな」と先程の女子高生は言う。以前ご紹介したように、今どきの若者たちは、同じクラスになったばかりの子などともLINEではなく、Instagramでつながることが増えている。まだ親しくない相手なので、見せるものは気を使うのだ。「『自撮り多すぎ』と思われてるかもとか心配になるし、それくらいなら相手は選んだほうが気が楽」。

 今どき若者は、SNSの世界でも細かな気配りを見せている。同時に、ストレスをなるべく減らした状態で利用することにも長けているようだ。大人世代も真似できるところは真似してもいいかもしれない。

高橋暁子

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。執筆・講演・メディア出演・監修などを手掛ける。教育出版中学国語教科書にコラム 掲載中。元小学校教員。

公式サイト:https://www.akiakatsuki.com/

Twitter:@akiakatsuki

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