Joe Biden米大統領は米国時間3月31日、ペンシルベニア州ピッツバーグで行った演説の中で、老朽化が進む社会インフラの更新などを目的とする、総額2兆ドル(約220兆円)規模の大規模な計画を発表した。
「The American Jobs Plan」というこのインフラ整備計画には、道路、橋、水路の修繕・整備に加えて、国内の過疎地を網羅するブロードバンドの整備に8年間で1000億ドル(約11兆円)を投入する計画など、多岐にわたるプロジェクトが含まれる。またブロードバンド網普及の計画には、低所得者層に対して補助金を支給し、サービスをより手ごろな料金で利用できるようにする案も盛り込まれている。
「ブロードバンドインターネットは新しい電力であり、米国人にとって、仕事を行い、学校教育や医療サービスに平等に参加し、人々とのつながりを維持するのに不可欠なものとなっている」(ホワイトハウス)
この計画の内容が詳しく説明されたホワイトハウスのファクトシートでは、ブロードバンドにアクセスできない地域に居住している米国人が3000万人以上もいることや、ブロードバンドが利用可能な都市部や郊外では料金があまりにも高額である場合が多いといったことが指摘されている。この現実は、白人世帯よりもマイノリティー世帯に深刻な影響を与えており、それがデジタル格差を生み出している。新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、米国全域でとられたロックダウン措置により、この問題は一層顕著になった。特に学生の中には、遠隔教育を受けたくてもインターネットに接続できない人が現れた。
「大統領は、1000億ドルという史上最大規模の投資によって、手ごろな価格で信頼性の高い高速ブロードバンドを全米国民に提供できると考えている」とホワイトハウスは説明している。
「Build Back Better」をスローガンにBiden大統領が約束するこの包括的な取り組みは、景気の促進、二酸化炭素排出量の削減による気候変動への対応、経済的不平等の解消につながると考えられる。この投資計画は、米国の高速道路や交通網の更新や整備のみにとどまらず、水道設備や送電網の改善や、ブロードバンド、5G無線、サプライチェーンへの投資が盛り込まれる予定だ。
そのほか、電気自動車の普及による温室効果ガス排出量のさらなる削減や、半導体やバッテリーなど、米国が中国に後れをとっている分野を対象とした研究開発に対する財政支援なども、この計画の重点項目となっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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