NECは3月30日、愛玩動物コミュニケーションプラットフォームサービス「waneco(ワネコ)」を提供すると発表した。
wanecoは、ペットとの関係性の強化を目指すPet Relationship Management(PRM)という考えに基づき、犬猫情報やさまざまなサービス・手続きを、一つのID「waneco ID」で連携し、デジタル化した情報を共有・活用できるプラットフォームサービスだ。
たとえば、トリミングでペットの体を触るトリマーは、ペットの病気に気づきやすいことが挙げられる。「皮膚がおかしい、といったことを飼い主に伝え、そこから獣医にかかるところを、デジタルで強化。異常を正確にデジタルで伝え、健康管理がしやすい仕組みを作り上げるのがPRMの目指すところ」(NEC AI・アナリティクス事業部 事業部長の池田雅之氏)
ペットサロンでの健康状態の気づきを動物病院と共有し、治療や飼育アドバイスに活用するなど、犬猫それぞれの適正や状態にあったサービスを享受できるとしている。
wanecoプラットフォームの第1弾として、LINE公式アカウントを使ったサービス「waneco talk」の社内実証を4月から開始する。8月をめどに一般へと広げ、NECはwanecoについて今後5年間で600万頭の登録を目指す。
waneco talkは、三軸加速度センサーと気圧センサーを備えたデバイス「PLUS CYCLE」とアプリで構成される。PLUS CYCLEをペットの首輪につけると、収集した犬猫の活動量を、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」が分析し、ペットの状態に基づいたメッセージがwaneco talkのLINE公式アカウントから届くしくみだ。
PLUS CYCLEは動物病院である日本動物高度医療センターが開発したもので、すでに1000病院以上が対応。ペットの活動量データをレポートで獣医師と連携するなどのサービスを展開している。wanecoプラットフォームとつなげることで、会話ができるようになるのが特徴だ。
たとえば、遠隔地にいてペットの様子が気になったとき、「なにしてる?」とLINEで話しかけると、寝ている・起きた、ジャンプしたなどの行動をもとに「運動してた」「のんびり~」など、人間がわかる言葉で報告してくれるようになる。
留守番などをしている犬・猫の状況を遠隔地からトーク形式で把握でき、さらにペットとのコミュニケーションが深まることが期待できる。
wanecoプラットフォームを担当するNEC 事業NEC AI・アナリティクス事業部 環境分析事業推進室 マネージャーの新見景氏は、自身のペットにwaneco talkで話しかけたら「ねむねむ」というメッセージや「起きた~」という返事が返ってきて「この瞬間、本当に感動した」と体験を語った。
将来的には蓄積したデータを健康管理につなげることを目指す。今後、パートナーと連携を進め、ペットサロン向けの無償版アプリやペットサロンにおける施術データと血統種、性別、年齢別の傾向を分析把握するデータ分析サービスを4月以降順次展開する方針だ。アプリにはペットの健康チェックに欠かせない耳・歯・目・皮膚・被毛の状態などを登録し、ペットサロンにおけるカルテ情報のデジタル化をスタートする。
なお、NECがB2Cの事業を手がけるわけではなく、パートナー事業者を支援することでビジネスを展開する。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス