Facebookは同社が取り組むヒューマン・コンピューター・インタラクション(人とコンピュータの相互作用)の一環である、ニューラルインターフェースを備えたリストバンドのプロトタイプを披露した。
Facebook Reality Labsのリサーチサイエンスマネージャーを務めるNicholas Colonnese氏によると、Facebookは4年間にわたり、振動による触覚フィードバックを備えたウェアラブル機器の開発に取り組んできたという。Reality Labsのリサーチ部門が試作した10件以上のプロトタイプは、どのようなフィードバックが未来のリストバンドに組み込まれるかを示唆するものとなっている。
ビデオチャットによるプレゼンテーションで披露された「Bellowband」という空気注入式のリストバンドには、血圧計のような空気注入ゾーンが8つあり、それによって腕が締め付けられる。それをさらに発展させた「Tasbi」(Tactile and Squeeze Bracelet Interface)バンドも、(「6つの振動触覚アクチュエーター」によって)振動し、腕を締め付けるものとなっている。Facebookのデモビデオでは、それぞれ腕に1つのバンドを装着した人々が、テニスやアーチェリーなどのバーチャルゲームを楽しむ様子が示されていた。バンドは、浮遊する仮想オブジェクトの感触を感じるほど現実的な触覚フィードバックを与えることができる。Facebookによると、この技術は、指先に何も装着していない状態でも、感覚代用と呼ばれる認知現象によって、実際に触れているかのように動作するという(人工装具の操作に似ている)。
Colonnese氏によると、Facebookは、これらのバンド用の「触覚絵文字」について研究しているという。触覚絵文字とは、カスタムな振動や締め付けを送信するものだ。「Apple Watch」によって「Digital Touch」を送信するという、Appleの取り組みに似ているように感じられる。別の用途は、歩きながら操作できるちょっとした通知で、こちらも一部のウェアラブルデバイスで採用されている。
Facebookの現行の「Oculus Touch」コントローラーには、基本的な振動フィードバックしか搭載されていないが、上述のハプティクスはそれよりもはるかに進化しているように思われる。ちょっとした通知を送れるApple Watchや、フォースフィードバックのアダプティブトリガーを搭載する、ソニーの「PlayStation 5」用「DualSense」コントローラーなど、最近の高度なハプティックデバイスは、Facebookが目指しているらしいものを表している。
このような進化したリストバンドやハプティクスを、Facebookは「Oculus Quest」を超えた仮想現実(VR)に採用する可能性がある。同社は、プロトタイプ開発を進めているニューラルインターフェースの一環がVRであることを認めており、米CNETに対し、近いうちに計画されているものはないが、Oculus Questのハンドトラッキングに似たものが実現する可能性があると述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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