PR TIMESは3月12日、子会社「THE BRIDGE」を設立し、PR TIMESが運営するスタートアップメディア「BRIDGE(ブリッジ)」に関する事業を承継させるとともに、同社代表に再び平野武士氏が就任することを発表した。5月6日(予定)を効力発生日として、BRIDGE事業を簡易吸収分割により、新設する子会社に承継させる。
THE BRIDGEで開始する新事業では、起業家、起業支援者、投資家、金融機関、大企業の事業開発部門などのスタートアップ・エコシステムが機能するよう、コミュニティ醸成とマッチング支援に取り組むという。詳細は後日改めて発表する予定。
PR TIMESは2015年2月に「BRIDGE(旧名:THE BRIDGE)」と連携してスタートアップ向け施策を本格展開し、2018年4月に同社を買収。BRIDGEはその後の3年間、PR TIMES運営メディアとして記事掲載を続けるとともに、スタートアップ・エコシステムへの新たな貢献の形を模索し挑戦を続けてきた。
その一方で、現状の延長ではBRIDGEの役割が縮小してしまう危惧があるほか、この3年間の試行錯誤を経て辿り着いた新事業へ本格的に挑むためにも、独立した法人として独自成長を目指し、経営責任の明確化を図ることにしたと説明する。
また、これまでもBRIDGEの顔として多くの起業家とネットワークを築いてきた平野武士氏が代表に再び就任することで、機動的な事業運営を実現しつつも、権限規程やモニタリングによってPR TIMESグループとしてのガバナンスを効かせるとしている。
なお、平野氏はPR TIMESのスタートアップPRエバンジェリストを兼務するとともに、PR TIMESの執行役員が分割準備会社の取締役を兼務することで、同社事業とのシナジーを生み出すとしている。
新生THE BRIDGEの代表に就任予定の平野氏は、以下のように意気込みを語っている。
「スタートアップを取り巻く環境はこの10年で大きく変化しました。リーマンショック以降、大きく激減したIPO(新規株式公開)の社数も2020年には100件という大台を超え、期待値という面でも社会の構造を変化させるような本質的な取り組みが増えてきました。こうした事実から『スタートアップ』という言葉が市民権を獲得しつつある一方、創業期にある玉石混交の状況を正しく見つめ、真に社会に貢献される起業家・企業を広く伝えるための手段はまだまだ改善の余地があると考えています。私たちはPR TIMESへの事業譲渡から3年、スタートアップにおけるPR(パブリック・リレーションズ)の役割と効果について学び、関わる起業家や投資家の方々と共に研究を重ねてきました。起業専業のメディア・コミュニティとして、ここに新たな『スタートアップPR』という考え方を付加することでエコシステムにおける情報発信に貢献して参りたいと思います」
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス