フォースタートアップスは成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2020年1月から2月までを対象とした「国内スタートアップ資金調達金額ランキング」を発表した。
それによると、未回収リスク保証型の後払い決済サービス「NP後払い」を運営するネットプロテクションズホールディングスが約60億円の調達を実施し、資金調達ランキングのトップになった。また、10億円を超える資金調達では、LegalForce、ALE、H.I.F.、Terra Drone、エスキュービズムが名を連ね、新たに12社がランクインしている。
2000年1月に設立したネットプロテクションズは、テクノロジーを活用して新しい信用を創造する「Credit Tech(クレジットテック)」のパイオニア企業として、あらゆる商取引を円滑にしていくことを目指している。2月25日には、母体であるネットプロテクションズホールディングスとジェーシービーによる大型資本提携を発表。ジェーシービーの同社に対する出資比率は10.24%となった。国内外において拡大するBNPL(Buy Now, Pay Later=先に買って後から支払う決済)市場における事業連携を開始する見込みとなっている。
新規で3位にランクインしたLegalForceは、AI契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce」や、クラウド契約書管理システム「Marshall」を提供。シリーズCラウンドでDIMENSION、SMBCベンチャーキャピタル、WiL、みずほキャピタル、ジャフコグループ、三菱UFJキャピタル、三菱UFJ銀行、日本政策金融公庫から約30億円の資金調達を実施している。
人工流れ星事業「Sky Canvas」などの宇宙関連エンターテインメント事業や衛星事業を行うALEは、4位に新規ランクインした。スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー、Horizons Ventures、東北大学ベンチャーパートナーズなどから、約1年後となる2022年4月を目処に22億円の調達を完了する予定。
5位には、決済代行・信用保証サービス「Fimple決済」を展開するH.I.F.がランクイン。エレメンツキャピタルリサーチなどを引受先とする第三者割当増資により、15億9000万円のシリーズBラウンド資金調達を実施。同資金により「Fimple決済」のAI与信審査開発に活用する方針。
6位にランクインしたTerra Droneは、国内外に向けてドローン事業を展開。ベンチャーラボインベストメント、南都キャピタルパートナーズ、国際石油開発帝石を引受先として15億1000万円の資金調達を実施した。
そのほか、Psychic VR Lab、EAGLYS、Ridge-i、アークメディスン、ビードットメディカル、MFSが新規ランクインしている。
フォースタートアップスでは、3月1日時点での「国内スタートアップ想定時価総額ランキング」も発表している。
それによると、GVEが558億円から1117億円に時価総額を大幅に伸ばし、6位に浮上し、ユニコーン企業となった。GVEは、中央銀行が発行するデジタル通貨の基盤となる安全性の高い技術「EXC」を使ったキャッシュレス決済のシステムの開発に特化したスタートアップ。ネパール政府と特別目的会社を設立し、同システムの事業化を計画している。また、他社のIT技術を採り入れたプラットフォームの開発にも取り組んでいる。
また、未回収リスク保証型の後払い決済サービス「NP後払い」の運営を行うネットプロテクションズの親会社であるネットプロテクションズホールディングスが新規にランクインした。同社は、2021年2月にジェーシービーから約60億円の資金調達を実施しているが、まだ登記簿には反映されておらず、今後、想定時価総額が変動する見通し。
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