分かれるグーグルとFacebookの対応--ニュース使用料の支払いめぐり

Daniel Van Boom Andrew Morse (CNET News) 翻訳校正: 緒方亮 長谷睦 佐藤卓 (ガリレオ)2021年02月18日 11時07分
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 オーストラリアで現在審議されている、パブリッシャーへのニュース使用料の支払いをGoogleやFacebookに義務づける法的措置に関して、両社の対応が大きく分かれている。

グーグル検索のエラー画面
提供:Getty Images

 米国時間2月17日、Rupert Murdoch氏が所有するNews CorpはGoogleからニュースコンテンツの使用料の支払いを受けるという内容の3年契約を結んだ。これに先だって、Googleはオーストラリアのメディア大手Seven Westとも契約したほか、同じく同国メディア大手のNine Entertainmentとの契約も予定している。オーストラリアでは新たな法案により、Googleの検索エンジンにより表示されるニュース記事について、使用料の支払いが義務づけられる可能性があり、相次いで結ばれる契約はこの法案をGoogleが順守することを目的としたものだ。

 一方、Facebookは同日、オーストラリアのパブリッシャーとユーザーを対象に、同社のソーシャルネットワーク上でのニュース記事の共有を制限することを明らかにした。

 Facebookでオーストラリアとニュージーランドの事業運営を担当するWilliam Easton氏は公式ブログで、「法案はわれわれのプラットフォームと、それを使ってニュースコンテンツを提供するパブリッシャーとの関係を根本的に誤解している。われわれは厳しい選択を迫られた。この関係の現実を無視した法律に従うよう努めるか、あるいはオーストラリアでは当社のサービスでニュースコンテンツを表示させないことにするのかという選択だ。誠に残念だが、われわれは後者を選択する」と述べた。

 両社の対応が大きく分かれた今回の対応は、ニュースパプリシャーへのコンテンツ使用料の支払いを企業に義務づける法案「News media bargaining code」をオーストラリア政府が検討する中で起きたものだ。この法案をめぐる議論は激しさを増し、Googleは同国から検索サービスを引き上げると警告していた。Facebookも対象であるこの法案は、12日に豪上院の委員会で、国会での可決と立法化が勧告されている。

 オーストラリアでGoogleがパブリッシャー各社と契約に合意したことは、世界中で同じようなライセンス契約が結ばれる先駆けとなる可能性がある。欧州議会のある議員は先週、オーストラリアの法案で義務づけられているのと同じような規制を今後制定される法律に盛り込みたいと、米CNETに対して語っていた。また、カナダのある大臣もオーストラリアの事例を根拠として、GoogleとFacebookに対して自国のパブリッシャーへの支払いを求めたいとの考えを示している。

 「オーストラリアがこの法案を可決し、効果を実証できれば、他の国々にとっての前例となる可能性がある」と、米バンダービルト大学で法学部教授を務めるDaniel Gervais氏は語った。

 この法案が立法化された場合、Googleの検索結果やFacebookのフィードに表示されるニュースコンテンツへの対価について、両社は対象となるオーストラリアのパブリッシャーと、90日以内にライセンス契約を締結しなければならなくなる。契約が成立しなかった場合は、両社が支払うべき金額について、政府に任命された調停者が拘束力のある決定を下すことになる。Googleは、この法案によってGoogleの検索リンクに対価を支払うよう求められる可能性を懸念し、そうなればオープンなインターネットという原則が失われることになると主張していた。

 Googleとオーストラリアのメディア企業との契約は、同社が世界各地のニュースパブリッシャーに対して10億ドル(約1060億円)を拠出するプロジェクト「Google News Showcase」を通じて行われている。News Showcaseに登録した報道機関は、「Google News」アプリに表示する記事のリストを提供することで対価を得る。オーストラリア以外では、英国、ブラジル、フランス、ドイツでNews Showcaseが開始されており、合わせて500以上のメディアがGoogleと提携している。

オーストラリアのNews Showcase
オーストラリアのNews Showcase
提供:Google

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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