コロナ禍で外出自粛と社会的距離の確保が求められてきたことが、ロマンス詐欺の被害額が2020年に過去最大を記録したことの主な要因となった可能性がある。米連邦取引委員会(FTC)が米国時間2月10日に公表したレポートの中でそう指摘した。
FTCによると、2020年の総被害額は3億400万ドル(約320億円)で、2019年から50%増加した。2020年の被害者1人当たりの平均被害額は2500ドル(約26万円)だったと推定されている。
「2016年から2020年にかけて、報告された総被害額は4倍以上に増加し、報告件数は3倍近くになった」(FTC)
FTCは、2020年に被害額が急増したのは、新型コロナウイルスのパンデミックに起因する可能性があるとしている。他者と直接会う機会が制限され、さらなるユーザーがデートアプリのような遠隔で匿名性のあるオンラインコミュニケーションを利用するようになったという。
多くの場合、ロマンス詐欺の標的にされた人物は、詐欺師に金銭を送るよう求められる。
「詐欺師らは、でっち上げた理由でお金を送ったと主張した後、自分または他の誰かにお金を送り返す必要がある理由を詳しく説明する。(標的にされた)人々は大切に思う相手を助けていると思い込むが、実際には盗まれた資金を洗浄している可能性もある。実際に、受け取って送ったお金は盗まれた失業給付金であることが判明したと多くの人が報告している」(FTC)
さらにFTCは、ロマンス詐欺の多くが必ずしもデートアプリで始まるわけではなく、ソーシャルメディアネットワークが標的とされる場合もあるとしている。
「これらのソーシャルメディアユーザーは、必ずしも恋愛を求めているわけではなく、詐欺は予想外の友達申請やメッセージで始まる場合もあると報告している」(FTC)
2020年に、ギフトカードがロマンス詐欺で送金に利用されたとの報告は約70%増加したという。
FTCによると、2020年にはすべての年齢層が標的となった。40~69歳の人々がロマンス詐欺でお金を失ったとする報告が最も多い傾向があり、70歳以上の人が平均で最も高額な被害額を報告している。20~29歳の人々の報告件数は急増している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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