音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」の人気が止まらない。Clubhouseは実名制で、招待にも電話番号を利用するSNSだ。現在、iOS版のみでAndroid版がないにも関わらず、メディアも騒がせるほどの人気となっている。
LINEリサーチの「Clubhouseに関する調査」(2021年2月)によると、調査時ではClubhouseの認知度は全体で2割弱だが、10代は26%、20代は34%と若年層で高くなっている。「使っている」「招待まち」は全体で2%とまだまだ少ない状態だ。
一方、「使ってみたいと思う」は全体で22%、「使ってみたいと思わない」は54%だった。「使ってみたいと思う」割合を年代別に見ると、10代が31%、20代が27%と、やはり認知度が高かった若年層で高くなっている。
利用規約では18歳以上対象となっており、高校生以下は対象外だ。しかし、アプリに特に年齢を確認する仕組みなどはなく、未成年も利用できるようになっており、実際使っている中学生や高校生を見かける。未成年が利用できることに問題はないのだろうか。
まず、Clubhouseの基本について整理しておこう。一言で言えば、リアルタイムに音声でコミュニケーションできるSNSだ。
room(ルーム)に参加すれば話したり聴いたりできるが、アーカイブが残らず、リアルタイムに参加しなければならないのが最大の特徴だ。知人同士でおしゃべりしたり、気になるテーマのroomに参加して話し合ったり、著名人のトークショーに参加したりとさまざまな使い方ができる。中毒性が高く、「次々といろいろなroomを覗いて睡眠不足」という人も少なくない状態だ。
「コロナ禍で人となかなか会えない中、久しぶりにいろいろな人たちと話せて楽しかった」とある30代女性は言う。「気になるテーマのルームに入ったら、スピーカーに上られて話したこともある。盛り上がって会ってみたい人が増えた。新しい出会いとかずっとなかったから新鮮。大好きなミュージシャンがいるroomもあって、手を挙げたら指してもらえて直接質問できたり。全部Clubhouseのおかげ」
著名人が多く入ってきたこともあり、メディアにも多く取り上げられ、ファン層も多く参入してきている。テレビやラジオなどの番組放送前後に、Clubhouseでトークが行われる様子もよく見かけるようになった。番組内などで「この後、続きの話をするのでClubhouseを使っている人は覗いてみてくださいね」なとど告知していることもあり、ユーザー増に拍車がかかっているようだ。
多くのSNSで先に始めた人に先行者利益があることが指摘されるが、現在はインフルエンサーとなることを狙った層も増えている。たとえば、「一般人の私がなぜ○日でフォロワー☓☓人が達成できたのか」など、フォロワーを増やすためのコツを話すroomは定番の人気だ。また、「ビジネスに活用したい」と考える層などが、相互フォローのためのroomを立ち上げ、無言でお互いにフォローしあっているのもよく見かける。
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