専用のカメラで動画を撮影するときは、フォーカスや露出を確認するために映像を大きい画面でプレビューしたいと思うことが多い。カメラ内蔵のスクリーンは小さいため、その目的がかなり制限されてしまう。そこで、4K対応の外部モニターが、価格にして数百ドル程度から7000ドル程度まで、各種販売されているわけだ。
Xperia PROの大きな売りのひとつが、4Kのフィールドモニターとして使える点だ。まず、HDMIケーブル(Xperia PRO側にmicro HDMIコネクターが必要)を使って、手持ちのカメラとXperia PROをつなぐ。次に、カメラの電源を入れ、Xperia PRO上でその名もずばり「外部モニター」というアプリを起動する。そうすると、カメラ側の設定と出力に応じて、撮影中の映像をスマートフォンの画面でプレビューできるようになる。
Xperia PROをカメラモニターとして使うのは、実に快適だ。一番のメリットはそのサイズと重さにある。筆者が米CNET用の動画を撮影するときに使っている単体のカメラモニターは、大きく重たい。実際、Xperia PROの方が、75g軽い。それも、モニターの給電に必要な巨大なバッテリーの重さを含めないで、この差だ。そして、バッテリーと言えば、筆者が使っている4Kカメラモニターが45分程度しかもたないのに比べて、Xperia vの4000mAhバッテリーはモニターとして使った場合、数時間は持続した。カメラに取り付けているときに充電が必要になっても、USB-Cケーブルでポータブルバッテリーをつなげばいいだけだ。
もうひとつのメリットは、Xperia PROを操作するときに、スマートフォンと同じようにできるということだ。2000年代初期のコンピューターのようなディスプレイボタンと、扱いにくい汎用メニューインターフェースのような操作をしなくて済む。プレビュー画像の拡大と縮小も、ピンチ操作でできる。外部モニターアプリには、スクリーンロック、輝度の調整、ズーム、グリッドライン、フレームライン、映像の180度反転といった機能もある。
ソニーがそうした機能をどれも専有していないのも素晴らしい。筆者は、ソニーの一眼レフ「α7S III」とパナソニックのミラーレスカメラ「LUMIX S1H」のどちらにもXperia PROをマウントしてみた。外部モニターアプリは、ときどきプレビュー画像が欠落する以外、問題なく動作したし、目立つバグも見られなかった。ただし、ときどき接続が切れたのは、HDMIケーブルがゆるかったためなのか、それとも量産開始前の端末だったからなのか不明だ。最終版では改善されていることを望みたい。
Xperia PROでプレビューを表示すると、両側に黒い部分がかなりある。筆者としては、動画のフィード画面をディスプレイの左右どちらかに寄せて、残った部分でコントロール類やメニューを簡単に使えるようになっていればよかったと思う。Xperia PROをプレビューモニターとして使うとき、唯一の大きい不満は、屋外だと日光のため輝度に限界を感じることだ。筆者がモニターとして使う目的でXperia PROを購入するとしたら、屋外撮影用に何らかのフードを追加したいと思うだろう。
Xperia PROに、HDMIからの動画信号を記録できる機能も欲しかった。ほかのハイエンドモニターには用意されている。筆者や、筆者がするような動画の作業には、付加価値になるはずだ。
後編に続く。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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