AI動画編集のオープンエイトが首位に--2021年1月の資金調達・時価総額ランキング

 フォースタートアップスは成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2020年1月を対象とした「国内スタートアップ資金調達金額ランキング」を発表した。それによると、調達金額上位5社の平均額は、1年前(2020年1月)は37.7億円だったのに対し、2021年1月は15.5億円となっており、前年に比べて半分以下となった。

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 ランキング1位は、インハウスAI動画編集クラウド「Video BRAIN」やSNS投稿・分析サービス「Insight BRAIN」を提供するオープンエイトが獲得した。同社は、JPインベストメント、スパークス・グループ、日本政策金融公庫から総額30億円の資金調達を実施している。

 2位には、パーソナル栄養検査サービス「VitaNote」などを提供するユカシカドがランクイン。前澤ファンド、日本政策金融公庫などから総額15億円の資金調達を実施しており、調達資金は財務基盤の強化と大規模プロモーション実施による栄養改善市場の拡大に充当する見込み。

 3位には、マイカーリースサービスを提供するナイルがランクインした。同社は、DIMENSION、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、環境エネルギー投資、博報堂DYメディアパートナーズ、SBIグループ、日本ベンチャーキャピタル、グリーベンチャーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、その他個人投資家を引受先として、約37億円の第三者割当増資を実施した。

 さらに同社は、複数金融機関から約13億円の融資を受け、総額50億円超の資金調達をしている。今回のランキングでは、登記簿を元に2021年1月以降に調達した金額を推測。12億8000万円の資金調達として扱っている。今後は、自動車整備工場や自動車ディーラー、サービスステーションなどの自動車関連事業社とのアライアンスを強化・拡充し、各事業との親和性が高い企業のM&Aも積極的に検討する方針だという。

 このほか、京都大学発のスタートアップである京都フュージョニアリングは、20位にランクイン。Coral Capitalを引受先として、1億1600万円の資金調達を実施した。同社は、次世代エネルギー源として注目されている核融合技術の開発に取り組む企業に対し、工学的ソリューションを提供している。

 カテゴリ別では、ヘルスケア・美容分野が3社と最も多く、人事、医療・介護、金融分野が2社と続いた。ヘルスケア・美容分野では、ユカシカド、LEAN BODY、HERBIOの3社。医療・介護分野では、ジェイファーマ、凜研究所が資金調達を実施している。

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 LEAN BODYは、オンラインフィットネス動画配信サービス「LEAN BODY」を運営するスタートアップ。自宅で過ごす時間が多い昨今の情勢も追い風となり、2020年の利用者数は昨対比約900%の伸びをみせている。

 厚生労働省では、2025年に日本の65歳以上の高齢者の割合は30.3%になると予想。出生数は2019年に戦後初めて90万人を割り、86万5239人となった。また、経済産業省の資料では、2016年度に約25兆円であったヘルスケアの国内市場規模は、2025年には約33兆円にまで増大すると推計されている。少子高齢化が進む課題先進国である日本において、健康寿命を伸ばすことが喫緊の課題となっており、ヘルスケア分野に注目が集まっている。

月面探査の「ispace」が16位に浮上

 フォースタートアップスでは、2月2日時点での「国内スタートアップ想定時価総額ランキング」も発表している。それによると、ispaceが想定時価総額を55億円伸ばし、先月の19位から16位に浮上。また、アストロスケールホールディングスの想定時価総額も第三者割当増資により、685億円から697億円へと増加している。

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 ispaceは、2020年12月にシリーズBの追加ラウンドとして、SMBC日興証券を引受先とした第三者割当増資により5億円の資金調達を実施。累計調達金額は約140億5000万円になる。この調達を受けて、2023年に実施予定のMission2で使用するランダーの先行開発投資に加え、2024年以降のランダーのサイズアップを見据えた先行開発投資を実行する予定。

 アストロスケールホールディングスは、2020年10月にエースタート、アイネット、清水建設、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャーからの第三者割当増資により、シリーズE総額で約55億円の調達を実施した。これにより、累計総額は約210億円となった。今後は、重要な社会インフラとして宇宙からのサービスやデータを安心して活用できるように、スペースデブリという社会課題に対して、技術、ビジネスモデル、法規制に取り組んでいく方針。

 なお、トップ20企業の累計資金調達金額をみても、大型調達による累計資金調達金額の変化などはみられなかった。

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 ランクインした企業の動きをみると、4位のTBMは、1月に使用済みのプラスチック製品や石灰石を主原料とするLIMEX製品の回収を促進する「CirculeXアプリ」のサービスを開始した。CirculeXアプリは、使用済みのプラスチック製品やLIMEX製品などの回収量を記録し、資源回収に協力した人にポイントを付与するアプリ。今後、ポイント利用先拡大を予定しており、消費者向けのCirculeXアプリに加え、事業者向けに資源の回収量を可視化するシステム開発を進めている。

 15位にランクインし、スマートロックサービス「bitlockシリーズ」を提供しているビットキーは、2020年12月に丸紅都市開発、2021年1月にNTT都市開発に対し、同サービスを提供している。

 20位にランクインしたLooopは、2021年1月にエネルギーテック企業のENECHANGEと共同開発した、電気使用の需要変容を促す家庭向けデマンドレスポンス型節電サービスを開始。また、北海道に3カ所の高圧太陽光発電所を新設し、「エネルギーフリー社会の実現」を目指して電源開発を進めている。

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