筆者は執筆時点(2月4日)でClubhouseを1週間以上使っている。はたしてSpacesは、破竹の勢いでユーザーを増やしているClubhouseの対抗サービスになりうるだろうか。同じ音声チャットサービスとして、ベータテスト段階ではあるが比較をしてみたい。
Clubhouseは音声以外で会話に反応することができない。そのため、音声を遮らないように反応するために、参加者がマイクボタンを連続でオン・オフして拍手のように見せるなど、ユーザー側が工夫をしている。その点、Spacesにはリアクション絵文字が用意されている。会話に反応が欲しい話者と、反応したいリスナーの気持ちをスッキリと消化してくれる。
一方で、Clubhouseでは喋っているユーザーのアイコンの外枠を光らせることで誰が発言しているのかを表現しているが、Spacesではユーザー名の左下の箇所に小さな音量アイコンのようなものを表示することで発言者を表している。この点はClubhouseの方が、誰が喋っているのか一目で分かりやすい。またSpacesではマイクをミュートにしていても、ミュートアイコンは表示されなかった。
Clubhouseは今のところ各種機能やメニューは英語表記だが、Spacesはすでに日本語に対応している。ただし、現在は開発中のため、一部の文字表示がかぶってしまうなど、お世辞にも見た目が美しいとは言い難い。ここは今後の改善に期待したいところだ。
そのほかの大きな違いとして、SpacesはTwitterのソーシャルグラフをそのまま流用できる。Clubhouseでは一から新しいユーザーとつながり合わねばならなかったが(それがいいという人も多いが)、Twitterはすでに獲得したフォロワーや親しいユーザーとすぐに利用することができる。新たなアプリをインストールする必要もなく、すぐに音声チャットを楽しめるのは強みだ。
しかし、誰が発信しているかはあまり問わず、ただ面白いトークを聞きたい時はClubhouseの方が強いだろう。Clubhouseはフォローしていない人が開催しているroomも一覧表示でチェックできるが、Spacesはつながりがない人のSpacesを探すには一手間かかりそうだ。
なお、ClubhouseもSpacesもiOS対応のみだ。Androidユーザーにとっては、「またか」とがっかりするニュースだったかもしれない。音声チャットサービスは、ハードウェアを絞ることで音声を繊細にチューニングしていると考えられる。
現在はベータテストの段階であり、まだ改善すべき点が多いとのことで、筆者も細かな仕様は確認できなかった。今後、Spacesがいつ一般ユーザーに実装されるかは未定だという。Clubhouseの人気により、音声チャットサービスへのニーズが証明された今、Spacesには明るい未来が開けている。筆者はベータテストに参加したことでかなりの興奮を覚えた。1日も早く、Twitterユーザーの皆さんとこの気持ちを分かち合いたい。
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