Apple Watchで「心電図」アプリを使うには--測り方から簡単に使える設定まで - (page 2)

測定するときの注意点

 いよいよ、Apple Watchで心電図アプリケーションを開いて測定しよう。なお、Apple Watchは、“設定”で選択されている手首に装着する必要がある。アプリを開いた後30秒間、アナウンスにしたがって装着した手と反対側の人差し指をDigital Crownに指をあてると測定できる。ユーザーがDigital Crownに触れると回路が機能し、心臓を通る電気信号が記録されるしくみという。

 測定中は、腕を動かさないように腕を机や脚の上に置くと正確に測定できる。画面ショットを撮るため、指を少し押し込む動作をしたところ「腕を動かさないようにしてください」とのアラートが表示された。

最初に心電図アプリを起動したとき、左上のようにアラートが表示される。設定した手であることを確認しよう。また、安静にしていないと測定されない。また、体調がよくない場合は、症状をApple Watch上で簡単に入力できる
最初に心電図アプリを起動したとき、左上のようにアラートが表示される。設定した手であることを確認しよう。また、安静にしていないと測定されない。また、体調がよくない場合は、症状をApple Watch上で簡単に入力できる

 30秒後、心拍リズムは心房細動、洞調律、低心拍数、高心拍数、判定不能のいずれかに分類される。心拍が一定のパターン(心房細動の兆候が見られない=問題がない)場合は「洞調律」となるようだ。なお、すべての記録、記録の分類、注意が必要な症状は、iPhoneのヘルスケアアプリケーションに保存され、結果のPDFは医師と共有することで治療に役立てられる。

心電図の結果はiPhoneのヘルスケアアプリからも確認でき、iPhoneではPDFに書き出すこともできる
心電図の結果はiPhoneのヘルスケアアプリからも確認でき、iPhoneではPDFに書き出すこともできる。この画面から波形(ストリップ)を左にフリックするとデータをスクロールできる
PDFに書き出したもの
PDFに書き出したもの
Apple Watchで測定した場合、iPhoneにこのように通知が行われる
Apple Watchで測定した場合、iPhoneにこのように通知が行われる
watchOS 7.3を搭載したApple Watch Series 3以降では、心房細動を示唆する不規則な心拍リズムを検知すると通知する
watchOS 7.3を搭載したApple Watch Series 3以降では、心房細動を示唆する不規則な心拍リズムを検知すると通知する

「コンプリケーション」の活用で心電図を簡単に測定

 頻繁に心電図機能を使いたい場合、いちいちDigital Crownをワンプッシュしてアプリケーションの一覧から心電図アプリを起動するのが面倒、というケースもあるかもしれない。そんなときは、Apple Watchのコンプリケーション機能が利用できる文字盤を利用するのも手だ。コンプリケーションが使えない文字盤もあるので注意したい。

多くのコンプリケーションを設定できる「インフォグラフ」。写真では左下に設定し、ワンタップで心電図アプリを起動できる
多くのコンプリケーションを設定できる「インフォグラフ」。写真では左下に設定し、ワンタップで心電図アプリを起動できる

 iPhoneでWatch Appを開き、「マイ文字盤」で使用している文字盤を開き、好みの場所に「心電図」を設定する。写真では、「インフォグラフ」の文字盤を使用している。

マイ文字盤で設定したい文字盤を選び「コンプリケーション」から設定する。「心電図」が選べるようになっている
マイ文字盤で設定したい文字盤を選び「コンプリケーション」から設定する。「心電図」が選べるようになっている

 このほか、別のアプリや文字盤を表示しているときに、Digital Crownを2回押せば、最後に使用したアプリを素早く開ける。もし頻繁に利用するのであれば、その方法でも快適に使えるかもしれない。

専門家が心電図アプリの実現で期待すること

 2019年12月にティム・クック氏が来日したとき、慶応義塾大学病院の循環器内科で不整脈先端治療学を専門にしている医学博士、木村雄弘氏のもとを訪れたところを取材したことがある。2015年に発売された初代Apple WatchからApple Watchを活用して心臓疾患の治療に取り組んでいる医師だ。

 当時の説明によれば、「病院に来ているときだけの心電図ではわからないことも多い」とのこと。日本で心電図アプリの使用が実現した場合に治療に期待できることとして「あのときドキドキしたよな、あのとき具合が悪かったよな、というときの心電図が1枚記録することが大事。でも、記録がないとわからない。それが記録できるまで検査を繰り返すというのもよくあること。そうした機能を手元に持てることになる」と話してくれた。いよいよ今回のアップデートにより、待望の機能が日本でも実現したことになる。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]