いよいよ、Apple Watchで心電図アプリケーションを開いて測定しよう。なお、Apple Watchは、“設定”で選択されている手首に装着する必要がある。アプリを開いた後30秒間、アナウンスにしたがって装着した手と反対側の人差し指をDigital Crownに指をあてると測定できる。ユーザーがDigital Crownに触れると回路が機能し、心臓を通る電気信号が記録されるしくみという。
測定中は、腕を動かさないように腕を机や脚の上に置くと正確に測定できる。画面ショットを撮るため、指を少し押し込む動作をしたところ「腕を動かさないようにしてください」とのアラートが表示された。
30秒後、心拍リズムは心房細動、洞調律、低心拍数、高心拍数、判定不能のいずれかに分類される。心拍が一定のパターン(心房細動の兆候が見られない=問題がない)場合は「洞調律」となるようだ。なお、すべての記録、記録の分類、注意が必要な症状は、iPhoneのヘルスケアアプリケーションに保存され、結果のPDFは医師と共有することで治療に役立てられる。
頻繁に心電図機能を使いたい場合、いちいちDigital Crownをワンプッシュしてアプリケーションの一覧から心電図アプリを起動するのが面倒、というケースもあるかもしれない。そんなときは、Apple Watchのコンプリケーション機能が利用できる文字盤を利用するのも手だ。コンプリケーションが使えない文字盤もあるので注意したい。
iPhoneでWatch Appを開き、「マイ文字盤」で使用している文字盤を開き、好みの場所に「心電図」を設定する。写真では、「インフォグラフ」の文字盤を使用している。
このほか、別のアプリや文字盤を表示しているときに、Digital Crownを2回押せば、最後に使用したアプリを素早く開ける。もし頻繁に利用するのであれば、その方法でも快適に使えるかもしれない。
2019年12月にティム・クック氏が来日したとき、慶応義塾大学病院の循環器内科で不整脈先端治療学を専門にしている医学博士、木村雄弘氏のもとを訪れたところを取材したことがある。2015年に発売された初代Apple WatchからApple Watchを活用して心臓疾患の治療に取り組んでいる医師だ。
当時の説明によれば、「病院に来ているときだけの心電図ではわからないことも多い」とのこと。日本で心電図アプリの使用が実現した場合に治療に期待できることとして「あのときドキドキしたよな、あのとき具合が悪かったよな、というときの心電図が1枚記録することが大事。でも、記録がないとわからない。それが記録できるまで検査を繰り返すというのもよくあること。そうした機能を手元に持てることになる」と話してくれた。いよいよ今回のアップデートにより、待望の機能が日本でも実現したことになる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
開発経験ゼロからのローコード開発で
医療ニーズに応えた病院向けシステムを構築
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス