広い範囲を写真に収めるには、広角レンズ付きカメラを使う。また、レンズ交換の不可能なカメラを搭載しているスマートフォンの場合、写す方向を変えながら撮影した複数の画像を合成すれば、疑似的に広角レンズ効果が得られる。
これに対しAppleは、曲げられる柔軟性のあるデバイスに複数のカメラを取り付けることで、撮影範囲を変える技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間1月21日に「CAMERA SYSTEMS FOR BENDABLE ELECTRONIC DEVICES」(公開特許番号「US 2021/0021768 A1」)として公開された。出願日は2019年7月18日。
この特許を適用したデバイスは、複数のカメラを搭載しており、柔軟なボディを曲げることで各カメラの撮影方向をある程度自由に変えられる。デバイスの種類に制約はなく、折りたたみ可能なフォルダブル型スマートフォンでも、柔軟なバンドを取り付けたスマートウォッチでも、同特許は適用できる。
各カメラで同時に撮影した複数の写真やビデオは、つなぎ合わせることで曲げる前より広い範囲をカバーした写真やビデオへ合成可能だ。つまり、カメラのレンズを交換することなく、画角を変えられる。また、曲げる部分に歪みセンサーのような検知デバイスを組み込むと、曲げ方に応じて合成方法を適切に調整できるだろう。
また、被写体を囲うような方向へ曲げると、1つの物体を左右別の位置から見た状態になり、3D視用の写真やビデオが撮影可能になる
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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